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「……今まで、何度も言う機会はあったのに、言えなくてすまなかった」


グラスに僅かに残っていたワインをひと息に飲み干すと、


「ずっと言えずにいた、『私は、君を……』の後を、聞いてもらえるだろうか」


彼が、抑えたもの静かなトーンで語って、「……はい」と、頷いた。




「私は、君を……。……君を、好きなんだ」




切なげに掠れた彼の声が、胸の奥に沁み入っていく。


「……。……本当に」


それだけしか言えないでいると、


「目を、閉じて……」


低く囁きかけられて、言われるがままに瞼を綴じた──。

ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

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