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宝石

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宝石

1 - 宝石

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2023年05月05日

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私は過去に甘酸っぱい体験をした。

それはもう甘酸っぱかった。あの感動と、あの興奮は、また私が行動を起こさなければ体験はできないだろう。

奇麗な深紅と、明るい橙。それと、蒼翠。とても美しかった。どれを見ても宝石の様だった。

その時だったか?あの興奮が襲ってきたのは。興奮していた。例えるものがないくらい。

その後遅れて来たはあの感動。とても素晴らしかったね。感動に打ちひしがれ、私は見ていた。その宝石を。

そしてこの時がやって来た。

はらりと深紅の服が落ちた。円を描いて。例えるならば新体操のリボンか?はたまた赤の絵の具を纏った筆か?

次に明るい橙が半分だけその明るい服を着ていた。なんて奇麗なのだろうか!例えるならば紅葉だ。半分だけ違う色の紅葉だ。あのなんとも言えぬ奇麗さよ。

そして蒼翠。これは先駆者に劣らぬ美しさだった。蒼翠の服は何処も剥げてもいない、そのままの美しさが秘められていた。本当に私のものなのか?

私は思ってしまった。この三色の宝石を眼前に。

もう抑えきれなかった。限界だった。

ついに口に出してしまった。

「食べたい」

と。その瞬間だった。私の手は無意識にその宝石に手を伸ばしていた。本当に抑えきれなかった。

そして、まるで獣のようにすっかり食べてしまった。

あの服から見えた白い肌はとても綺麗だった。



嗚呼、リンゴ。また食べたいと思う私がいる。


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