テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
晶子は一瞬キョトンとした。それから頭の中で考える。カンナも高校2年生なのだから、カレシがいても不思議はない。晶子はおずおずと運転席の良太に話しかけた。
「あ、あの、良太さん。ありがとうございます、乗せていただいて」
良太は前を見つめたまま、ほがらかな口調で応えた。
「ああ、いいって事よ。どうせカンナを家まで送っていくところなんだ。一人も二人も同じだしな」
「あたしは……」
「晶子ちゃんだろ? カンナから話は何度も聞いてるよ。ほんとにカンナとは正反対のお嬢様って感じだな」
晶子はカンナに訊く。
「カンナの学校も授業中止?」
カンナは窓から外の様子を見ながら応える。
「うん、今から雨風がもっとひどくなるらしいから、1限の授業終わったとこで帰れって言われた。けど正解だな。こりゃひでえや」
晶子は少しためらったが、思い切ってカンナに訊いてみた。
「良太さん、カンナのカレシって言ったよね。どこで知り合ったの?」
「4月の中頃だったかな、あたいがバイトしてるメイド喫茶が他の店と合同で、まあ、メイドさんの撮影会みたいなもんか、そういうイベントやったんだけど。そこに来てた中に良太がいてさ」
「へえ! じゃあその後ナンパされたの?」
「いや、あたいがナンパした」
「え? あの、どういう事?」
「イベント終わった後も会場の近くうろうろしてた奴がいたから、よし、おまえ、あたいのカレシにしてやるって、そう声かけたら乗ってきた」
良太が苦笑しながら運転席から話に入って来た。
「信じられる? 晶子ちゃん。こいつになんで俺なんだって訊いたら、車持ってるから便利そうだって、そう言いやがったんだぜ」
晶子がカンナにまた訊く。
「そうなの?」
カンナも笑いを含んだ口調で言う。
「ああ、そうだぜ。男ならカノジョを車で送り迎えするぐらいでねえと」
良太が笑いながらカンナに言う。
「だからってタクシー替わりにし過ぎだろ、おまえは」
カンナが言い返す。
「カノジョに尽くすのが男の甲斐性だろ。しかも相手は現役JKだぞ。むしろそっちが感謝しろ」
宇津Q
2,015
#いじめ
るあ🩵🦊🌙
31
284
コメント
1件
カンナのキャラ、めっちゃ好きだわ。「車持ってるから便利そう」って理由でナンパしたって、どんな発想やねん😂 しかも良太もそれに乗ってるし、このカップルの関係性、めっちゃ微笑ましい。晶子がおずおずと話しかける感じも、カンナとは正反対でいいアクセントになってる。日常回だけど、キャラの掛け合いが自然で、読んでてほっこりしたわ。