🖤「佐渡の日」
💚「そう、語呂合わせだね」
今日は『佐渡の日』らしい。
佐渡と言えば、昨年世界遺産に登録され、阿部ちゃんがすぐに取材に行って特番が作られた場所。
地方局での放送だったけど、阿部ちゃんの番組はその局のそれまでの見逃し配信再生数を大幅に上回り、急遽年末にも再放送されたほど好評だったそうだ。
阿部ちゃんにとっては思い入れのある場所の1つだろう。
余談だが年始の占いで佐渡のお米を食べると良いと言われたので、あれ以来俺も何となく関係者の気持ちでいる。
今日は現地から取り寄せた日本酒で乾杯。
🖤「良かった?佐渡」
💚「めっちゃ良かった!金山はもちろん素晴らしかったけど、景色も綺麗だし、町の人もみんなあったかくていい人」
あの夏を思い出すように話す横顔が愛おしくて抱き寄せ、髪に口付ける。
阿部ちゃんが気持ちよさそうにすり寄って、顔をこちらに向けて催促するから触れるだけの軽いキス。
🖤「いいなぁ」
俺にとっての昨夏は大きなドラマもあって忙しくて充実していたけど、同時に初めて活動休止して仕事に穴を開けた、どちらかといえば苦い夏だったのを思い出してしまう。
楽しい話の途中なのにいけないと、グラスをぐいと一気飲みした。
💚「落ち着いたら、めめと一緒に行きたいな、佐渡」
🖤「えっ」
💚「ほんとに良かったから。お宿も独創的だけどオシャレだったし、カフェとか、足湯とか、夕陽とか、いいものたくさんあったから」
阿部ちゃんの口調は熱っぽくて、本心なんだと嬉しくなる。
阿部ちゃんの性格上仕方がないけど、恋人の俺にすら『最適解』を考えて話そうとする時が今もまだある。
なので、逆にこうして頭で考える前に口から言葉が出ている時もわかってしまう。
🖤「阿部ちゃんと旅行ってなかったね」
💚「行こうね、いつか」
🖤「楽しみ」
俺が喜んでいるのが伝わったんだろう、阿部ちゃんは
💚「めめと行く前にもう1回ちゃんと勉強し直しとく」
と目を輝かせてスマホを開き、早速佐渡に関する文献やらガイドブックを検索し始める。
🖤「それもいいけど」
💚「うん?」
🖤「俺、せっかく2人なのにスマホに阿部ちゃん取られたくないなぁ」
スマホを持った手に俺の手を抑えるように重ねて、体重をかけてソファに倒す。
舌も使って、唇を貪るように何度も何度もキスをする。
💚「ん…めめ、酔った?」
🖤「酔いました。阿部ちゃんも酔ってるでしょ」
💚「そうだけど、ちょっと待っ…あん……」
赤くなった首筋を、耳朶を舐めると甘い声が漏れる。
服をめくって胸に愛の跡を付けるも、身体がお酒でピンクに染まっている今はあまり目立たない。
それでも、俺の下で快感に震え期待している阿部ちゃんを見ると愛おしくてたまらなくなる。
🖤「阿部ちゃん、好き。愛してるよ」
💚「俺もめめ大好き、愛してる」
晩酌をしたらたまには早めに寝ようと話していたけど、結局今日も夜は長くなりそうだ。
終
コメント
9件
寝たの何時だよ〜(おかわり)
佐渡の特番良かったですよね!わかる!!😍 そして今日も今日とてめめあべは甘々ですね🖤💚
あれ、良かったからまだハードディスクに入ってる!また見たくなりました