sha side
sha「 ッ… 」
ギュッと袖の方を掴んで力強く握りしめる。
手が爪に食い込むような感覚は痛いけど、この鬱陶しい感情を落ち着かせることが出来た
俺は、何も出来なかった
彼奴等に手を差し伸べることも、いや…寄り添うことすら何も出来なかった
俺はtnに話しかけることもその時のtnの顔も見ることは出来なかった
ずっと、助けられてきたのに…支えられてきたのに彼奴等に何も返すことが出来なかった
ポツポツ…と少しずつ雨が降り始めてきた。
まるで俺の喪失感を、愚かさを目立たそうとするように
それは前に居た軍で陰口を言ってきた奴らのようで、息が苦しかった
『 〜〜〜!!!〜〜…笑 』
『 〜〜〜、〜〜〜〜……〜〜 』
『 〜〜〜wwwww、〜〜〜〜笑 』
sha「 やめろ…ッ、煩いッ!!! 」
何を言ってるのか聞こえないけど、耳鳴りのような感じで気持ち悪くなる
陰口を言ってきたあの哀れな奴ら言っていたことが、俺の大事な仲間の” 彼奴等 ”が言っているように聞こえて
じわじわと毒のように息苦しさを与えてくる
それと共に雨も強くなってきて、徐々に服が濡れていく
屋根のないこの裏庭に居続けると風邪をひくので長居はしてはいけないと分かっている
風邪をひきやすいこともちゃんと自分でも分かってる、でも此処に居続けないと自分がおかしくなりそうで
この黒くてドロドロする感情が一気に溢れ出そうで怖くて離れることが出来なかった。
sha「 …ッ、ごめんなさい…ッ 」
自分の全てが嫌いで今すぐにでも腕を引っ掻きたい
みんなに迷惑をかけ続けている俺は居て良いのか、ネガティブな思考に陥ってしまった
どうにか立ち直ろうとしてもそう簡単にいつも通りみたいに過ごすことは難しい
…確か、誰かも言っとったな
sha「 ……積み木みたいに一度崩れたものを直すのは難しい…やっけな 」
孤独の空間で、肌に突き刺してくるような冷たい空気の中ひとり寂しく呟く
寄り添うことを拒んでいるのに、でも心の底では誰かに頼りたいって思ってしまう
sha「 …誰かに頼ってええんかな、 」
??「 大事なマブダチに頼るなって言う奴はおらんわ! 」
??「 頼れやこの馬鹿野郎!!! 」
sha「 …ぇ、? 」
声がした方へ向くと
rbr「 はぁ、はぁ…ッ 」
俺がこれ以上濡れないよう傘をこちらへさしながら、走ってきたのだろうか…息切れしているrbrがいた
俺が悩む時、いつも傍に居てくれるマブダチが
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rbr side
毎回そうだった
彼奴は何かあっても一人でずっと抱え込んで限界まで抱え込みまくって、昔からそうだった
俺は皆と違って昔の彼奴を知っている。だってマブダチやし…w
でも、マブダチでも俺は彼奴を支えることは出来んかった
悩んでいることさえ気付かずにいつも通り過ごしていたらいつの間にか抱えていることに気づく
意識しても何も出来なかった
そのたびに彼奴等は声を掛けていていたけど、俺は恐怖で掛けることさえ出来なかった
もし、抱えてるんじゃないかって言ったら迷惑かなと思って何度も何度も考えてもうた
今回だってそうだった。彼奴は一人になりたい筈なのに体が咄嗟に動いて追いかけてしまった
……まぁ、追いかけたことは誰にも気付かれてないんやけども。
決してホビットやからとかチビやからとかで見つからんかったじゃないからな?!?!?!!!?
ただ、俺にもその辛さを分けて欲しい
お前の抱えているものを分かち合いたかっただけやった。
いつも俺が苦しい時、辛い時お前は元気を与えてくれたから、その恩を返したいだけ
だから、お前も辛いときは
rbr「 頼れやこの馬鹿野郎!!! 」
sha「 …ぇ、? 」
rbr「 はぁ、はぁ…ッ 」
sha「 な、なんでrbrが此処に… 」
rbr「 んなこと後ででもええやろ 」
冷たく言葉を返してしまったかな、と内心思ったがんなことを考えている暇は無かった
この頼ることが出来ない寂しがり屋の馬鹿が抱え込んでる悩みを話してもらわなければ、
rbr「 …なぁ、sha 」
sha「 …ど、どしたん?w 」
コイツは俺の目を合わせようとせず、ニコッと無理やり笑顔を浮かべる
なんで帰ってきた時に話を聞こうとしなかったのか、俺は内心後悔した
だがそんなことを考えても過去には戻れない、進んだ時間を抗えない俺等には未来しか変えることが出来ない
なら、
rbr「 …その笑顔、お前らしくないからやめとき 」
言葉に棘があったとしても、その先にある悪い未来へ進まないように行動するだけや
sha「 な、何言うとんの?w 」
sha「 俺らしくないって……お前ちゃんと寝とるんか?w 」
rbr「 無理に強がらんくてええんやで 」
sha「 い、いや……強がってなんか((( rbr「 俺には強がってるようにしか見えへんけどな 」
rbr「 ……頼ってええから俺にも背負わせてや 」
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sha side
sha「 …いや、俺はなんも抱え込んどらんってw 」
頼りたい。辛い気持ちから助けて欲しい。
そう言いたいのに言えない、上手く言葉に表すことも出来なくて心が苦しくなる
コイツは俺に寄り添おうとしとるけど俺にはそんな優しくされる資格なんてない
だからやめてほしい、それ以上お前にも迷惑をかけたくないから
rbr「 嘘や 」
rbr「 抱え込んどらんって、嘘ついとるやろ 」
sha「 ……は、はぁ?言い掛かりはやめろって 」
rbr「 言い掛かりちゃう 」
rbr「 お前さ、昔から嘘ついたりする時やたらと首を触る癖があるんよな 」
sha「 ッ?! 」
嘘をついてることがバレた
なんならそんな癖が自分にあることも初めて知ったし…
rbr「 …はぁ、ええ加減話してくれへんか? 」
sha「 ぁ、ごめ…… 」
怒っとる
迷惑かけてもうた、また仲間に…大事な人に迷惑をかけてもうた
謝らなきゃ、そう思っても息が詰まったような感覚がして上手く言葉を出すことが出来ない
rbr「 あー!!怒っとらんから!安心しろって! 」
sha「 で、でも… 」
rbr「 ほんまに大丈夫やから、 」
rbr「 …sha、俺にも話してほしいんよ 」
sha「 ……でも迷惑かけるし、 」
rbr「 迷惑なんてかかる訳無いやん!! 」
rbr「 俺は知りたいんや…、お前の辛い気持ちを 」
sha「 …知りたい、か…… 」
rbr「 …あんま問い詰めたりはせんから、話せたら話して欲しい 」
rbr「 けどさ…、お前が辛い顔するんが嫌なんよ 」
sha「 ろ、ぼ……ろ… 」
rbr「 だから、辛かったら頼ってほしいんよ 」
rbr「 …俺が辛い時さ、お前の笑顔に助けられてるから…… 」
sha「 …! 」
俺の、笑顔に助けられてる…?
sha「 おれ…、迷惑かけとらん? 」
rbr「 かかっとるわけないやん!! 」
sha「 そ、か… 」
なんか、気が楽になったかもしれん
お前にそう言われると説得力あるわ…w
…話したほうが、ええよな
sha「 …あのさ、rbr 」
rbr「 どうしてん、 」
そうやって俺に返事をしながら隣に座り込む俺のマブダチ
相合い傘みたいになっとるけど……、たまにこういうのもええな
sha「 …実はな、? 」
俺はrbrにあの時の出来事を話した
tnに会ったことと、俺は喋りに行くことも顔を合わせることも出来なかったけど彼奴は俺等を拒んでいたこと
仲間の変わった姿を見て吃驚したことも、全部、俺が知ってることをすべて話した
それでもコイツは話を逸らそうともせず、止めようともせず聞いてくれた
knと一緒に心が無いと言われていたコイツが持つ優しさを感じて少し泣きかけた。
ちゃんと泣かずに話せたけどw
rbr「 …そうなんか、 」
sha「 …ごめん、話すことも出来んくて 」
rbr「 全然ええよ、 」
そう言いながらこのホビットは俺に抱き着いてきて、背中を撫でてくれた
男同士、こんなことをするのはちょっとあれだけども
何故かずっと背負っていた、俺を縛り付けてきた苦しみがゆっくりと崩れ落ちていくように無くなってく
sha「 …ッ、 」
気がつけば頬に何かが伝っていた
視界がぼやけてきて、あぁ…俺は泣いてるんやなって感じた
sha「 ぁ…ッ、ぅ、あ”あぁぁぁッ!!!! 」
その瞬間、ずっと堪えていたものがなくなっていって…気がつけば泣き叫んでいた
rbrはずっと泣き続ける俺の背中を静かにずっとさすってくれる
何も声をかけず、俺が泣き終わるまでずっと寄り添ってくれた
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rbr「 …落ち着いたか?sha 」
sha「 …うん、 」
rbr「 よかった… 」
安堵したような表情を浮かべるこの横にいるホビット
なんか…今見たらちょっとウゼェ
rbr「 なんか余計なこと考えとらんか? 」
sha「 え?んなことないないw 」
rbr「 んーそうか… 」
こいつ察しええのまじでなんなんや
身長125cm(笑)の癖に……くっそ
rbr「 sha?さっさと戻んぞ 」
sha「 え、でも…… 」
rbr「 …あぁ、shpくんとか?別に気にせんでええと思うで 」
sha「 え、…? 」
rbr「 良く分からんけど、俺の直感 」
sha「 ぷっw…なんやねんそれwwww 」
rbr「 悪かったな直感で!!! 」
rbr「 はぁ……だから戻ってみようや、彼奴等がお前を責めてきたら俺が殴り返したるわ! 」
sha「 え、あー…ありがとう?w 」
そんな会話を交じわせながら俺等は立ち上がって皆の居る場所へ戻るため足を動かす
空の方を見上げると、ザーザーと降っていた雨はいつの間にか雲で隠れていた淡い青色が見え、
太陽が元気良く輝いていた
rbrが差してくれていた傘はもう必要無いと言える良い天気
sha「 …ほんまにありがとうな(小声 」
rbr「 なんか言ったか? 」
sha「 いや、なんも! 」
曇っていた心が晴れた気がした。
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コメント
2件
好きすぎる😭
ほんとにこの話好きっす、 お体に気をつけて頑張ってくださ〜い!