屋上での語らいも終了し放課後になる
今日は部活があったため同級生にあまり見つからないように部室へと向かう
部室からはいつもの明るい声が聞こえてきていた
明人)今日も撮影すんぞ〜!
その元気に後押しされながら部活を過ごし、
気づけば下校時間になっていた
いつも通り門へと向かって行く
詩)じゃあまた明日な
優真)では、お先に
そう言いその場から立ち去る
何も持たずにお邪魔するのは申し訳なく、
1度家に帰ってご飯と家出の準備をしてから伺うことにした
気づけばもう空は暗くなっていた
少しペースを速めて家に向かう
優真)帰りました
母)やっと帰ってきた…
母)早くご飯の準備してきなさい!
優真)はい…
1分1秒でも早くこの家から出ていきたかったので手早く料理を仕上げていく
料理を作り終わり、すぐに自分の部屋に向かう
そして、服や教科書などの必要なものをカバンにつめる
そしてバレないように家を出る
家を出た後はただひたすら走った
気づかれても追いつかれないように
後ろを振り返らずに
自分の向かいたい場所に
優真)ハア…
優真)もう大丈夫だよね…
そう呟くと息を整えながら歩き始める
5分も経たないぐらいでこむさんの家に着いた
優真)インターホン押して大丈夫かな?
優真)よし…押すか…
カチッという音と共に緊張が全身に走る
指先が震えている
インターホンの音が静かな住宅街に鳴り響く
しばらく待つとドアの奥からこむさんが顔を出した
義盟)お、ようやく来たか
優真)すみません…こんな遅い時間に
義盟)とりあえず入り
義盟)話すのは後や
優真)では、お邪魔します…
自分の家とは全く違う光景が広がっていた
机の上も綺麗に片付いていたし、ゆかにもガラスの破片は転がっていなかった
そして、感じたことの無い温かさがあった
優真)結構広いんですね
義盟)そうか?w
義盟)荷物そこら辺に置いとき
優真)ありがとうございます!
邪魔にならないように隅の方に荷物を置く
義盟)夜ご飯は食べてきたんか?
優真)いえ…まだなんです
義盟)…じゃあ今から作るわ
優真)え!申し訳ないですよ!
義盟)別に大丈夫やでw
優真)でも…
義盟)何も心配せんでええからさ
そう言いこむさんはキッチンに向かっていった
何も心配いらないとは言われたけど落ち着かず気づけばキッチンに向かっていた
優真)僕も手伝いますよ
義盟)ええんか?
優真)もちろんです!!
優真)助けてもらっている身ですので!
義盟)じゃあ一緒に作ろか
優真)はい!
初めて料理をすることが楽しく感じられた
時間に追われながら作るわけでなく、
機嫌をとるためのものでもなく、
ただ純粋に楽しむことが出来た
義盟)初めて調理実習以外で誰かとご飯作ったかもなw
優真)それなら僕もですよw
義盟)手伝ってくれてありがとうな(ニコッ
優真)え、あ、はい!ドキッ
笑顔を向けられるのと同時に胸が熱くなった
こんな気持ち初めてだった
誰かにドキドキするなんて…
義盟)どうしたん優真くん?食べへんのか?
優真)あ、すみません
優真)ちょっと考え事ですw
そこからは色んな話をした
いつもと違う食卓を囲みながら
そして、時間だけが過ぎ去って行った
優真)久しぶりにいっぱい喋った気がしますw
義盟)顔が緩んできてくれて良かったわ
優真)嘘、そうですか?
義盟)楽しそうで良かったわw
優真)こむさんがいてくれて良かったです
義盟)ん?どうしたんや急に?
優真)そのままの意味ですよ
優真)こむさんが居てくれたから僕は初めて自分のことを話すことが出来ました
義盟)なんかいざ言われると恥ずいなあw
優真)本当にありがとうございます!
少し恥ずかしかったけど、感謝の言葉を伝えることが出来て良かった
時間が過ぎ、先にお風呂に入らせてもらった
優真)あがりましたよ
義盟)大丈夫か?寒くない?
優真)大丈夫ですよ
優真)じゃあ僕は勉強してきます
義盟)今から勉強すんのか?
今までの癖で不意に勉強という言葉が口から出ていた
別に勉強しなくてもいいのに
義盟)今までの癖が抜けてへんねんなw
優真)すみません…つい
義盟)別にええけど、もっとゆっくりしてええからな
優真)ありがとうございます
こむさんがお風呂をあがる頃にはもう11時を過ぎていた
義盟)優真くんベッド使って寝てくれてええで
優真)いや、それは申し訳なさ過ぎます
義盟)遠慮せんでええのに
優真)けど…
義盟)俺床で寝れるで
家にお邪魔しているのに申し訳なかった
それと同時に凄く怖かった
お母さんのことを考えるととても寝れそうになかった
夢にまで出てきそうで1人で寝るのが怖かった
そして、僕はこむさんにこう言っていたんだ
優真)お願いです…一緒に寝て欲しいです
高校生にもなってこんなお願いするのは我儘だと思っても口からはそう言っていた
優真)ごめんなさい…変なこと言っちゃって
優真)やっぱ大丈夫です、1人で寝れます
義盟)誰もあかんなんて言ってへんで
優真)けど…
義盟)迷惑なんか思ってへんし
義盟)それに、ほんまは怖いんやろ?
優真)!
義盟)優真くん見てたら分かるで
優真)え、そうですか?
義盟)だってめっちゃ手震えてるしw
義盟)やっぱ優真くん嘘つくの下手やなあw
優真)…じゃあ一緒に寝てもらっても良いですか?
義盟)狭いけどそれで良かったら
部屋に入ると筋トレ用具や物がたくさん置いてあった
優真)予想通りだ…
義盟)そりゃ筋トレ用具はあるで
義盟)じゃあもう寝よか
優真)分かりました
義盟)ほらこっちおいで
そう言われ隣に入れさせてもらう
少し動いたらぶつかりそうになる距離だ
義盟)狭ない?大丈夫?
優真)全然大丈夫ですよ
優真)…こむさん
義盟)ん?どうした
優真)もうちょっと近づいても大丈夫ですか?
義盟)別にええよ
優真)ありがとうございます
義盟)怖いんか?
優真)ちょっとだけ…
義盟)じゃあもっと近づき
優真)え、ちょっと//////
急に近づけられ恥ずかしくなる
心臓の鼓動が伝わるほどに近づいている
そのまま安心して寝てしまった
優真)スースー
義盟)もう寝てるしw
義盟)ほんま可愛いわ
義盟)…おやすみ
眠りについてから少し時間が経ってからのこと
ピンポーン
夜遅いはずなのにインターホンの音が鳴った
音に気づいたのは自分だけだったみたいだ
優真)何でこんな時間に…?
そう考えているとまたインターホンが鳴った
ピンポーン
優真)怖いけど…このままだったらこむさんが起きちゃうよな…
優真)…見に行ってみよう
震えながらもインターホンと繋がっているモニターの所まで向かう
震える手を握りしめながら夜の暗い家の中を歩く
モニター越しに移る人物を見て驚愕した
優真)どうして…ここにいるんだ
モニター越しの母さんは笑みを浮かべていた
コメント
13件
あれ?2日連続投稿ですか!?✨ 分かりますよ!kmさん!yuくん可愛いですよね!! 突然お母さん登場!?楽しみすぎます!!
え、なんで?!優真くんの場所わかったん!!まさかGPS!!そりゃ、付けてるか こんなに可愛い子が家出したんだもん!!