太陽が輝き、穏やかな風が吹く今日、神代類は酷く落ち込んでいた。落ち込んでいる理由はただひとつ
““““ライブの抽選に落ちた““““
いや、まあライブの抽選に落ちるのは良くあることなんだが、今回のライブは限定で、LIVE配信もしない特別なライブ。そんなライブの抽選に落ちたのだ。僕はどんよりとした空気を漂わせながらイヤホンを付け、司くんの歌声を聞く。ああぁ……ライブ、行きたかった。でも仕方ない…司くんは人気があるから倍率も高い。仕方のないことだと自分に言い聞かせる。
「神代くん、どうしたんだ?」
「えっ、天馬くん…?」
「尋常ではないほど落ち込んでいたぞ…何か辛いことでもあったか?」
司くん優し…好き……………尊………
ぐっ、と心の中の叫びを抑えながらなんとか平常心を保つ。
「その、好きなアイドルのライブの抽選に落ちて…っちょっと……行きたかったな…って…」
「神代くんはアイドルが好きなのか!ちなみに、誰が推しか聞いてもいいか?寧々か?えむか?それとも…彰人や冬弥達か?」
「わ、えっと、その……」
少しの間が開き、僕が口を開く。
「………その、つかさ、くん…が…推しで…」
「…えっ」
微妙な空気が流れる。本当に言っても良かったのか??もっと慎重になるべきだった。ほんとうにやらかした。
「…た…」
「え?」
「名前でよんでくれた!!!」
「??????え??」
「凄く嬉しい!オレも類って呼んでいいか??!!」
「え???うん??」
おそらく最後らへんが小声で聞こえなかったから「名前で呼んでくれた」と勘違いしたのだろう。少しほっとしたが、名前で呼ぶだけでそんなに喜ぶものなのだろうか…?アイドルっていうのは実は名前で呼び合える友達を作れないのか?まあ、誤魔化せたんだからいいか。
今日は凄く良い事が起きた!類がオレの事を名前で呼んでくれたんだ!しかもオレの事を推していると!最初からオレだと分かっていたんだが…もし他の誰かと言われたらどうしようかと…しかし、今日の類は一段と可愛かったな!
コメント
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本当に好きすぎます、、続き楽しみに待ってます!!
最高です✨✨ 続き待ってます!!