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「痛くないか?」
「はい」
アルフォンス様は指を浅く出し入れさせ、私の反応を窺っている。
慣れたとは口が裂けても言えないけれど、彼に愛されるこの行為は素敵な事だ。
彼は慣れていない私を気遣ってくれ、痛みを感じないか、不快ではないか、とても気を使ってくれている。
たとえ破瓜の痛みがつらくとも、相手がアルフォンス様なら、彼に身も心も満たされ、愛されて、最後にはとても満足できる予感がした。
アルフォンス様は私が感じる異物感を誤魔化すように、胸元にキスをしたあと乳首を口に含んだ。
乳首が温かな口内に包まれ、芯を持ったそこをじゅうっと吸われ、甘噛みされる。
「あぁんっ」
私は甘ったるい声を漏らし、彼の頭をとっさに押さえる。
アルフォンス様はわざとチュパチュパと音を立てて乳首をしゃぶり、蜜壷に挿れた指で膣を解し始めた。
同時に親指で淫芽をピチャピチャといたぶり、さやから顔を出した淫玉を撫でてきた。
「それ駄目ぇっ!」
ヅンッと脳天まで一気に快楽が駆け抜ける感覚を味わった私は、哀願の籠もった嬌声を上げ、体を強張らせる。
するとアルフォンス様の手の動きが止まり、淫玉から指が離れる。
「ぁ……?」
あと一歩で絶頂できたのに……、と彼を見ると、アルフォンス様は意地悪な表情で私に尋ねてきた。
「『駄目』? やめたほうがいいか?」
「う……」
笑みを深めた彼は、私が本気で言っていない事を分かっている。
「……意地悪……」
小さな声で文句を言い、ポカリと軽く彼の胸板を叩くと、アルフォンス様はクスクスと笑った。
「『駄目』と言われるのも背徳感があっていいが、君に許された行為をしたい。気持ち良かったなら『気持ちいい』と言えないか? 君がこの行為を肯定的に捉えていると安心したいんだ」
そう言われ、私は小さく頷いた。
「……なるべく、頑張ってみます。……『駄目』は駄目じゃない、です……」
赤面して消え入りそうな声で言うと、アルフォンス様は「ん」と微笑み、私の額にキスをした。
そして彼は再度手を動かし、クチュクチュと水音を立てて秘所を愛撫し始めた。
指の腹で体の内部をなぞられるたび、媚びるような声が口から漏れる。
精一杯勃起した小さな器官は男性の太い親指に蹂躙され、その中に隠していた秘玉を露わにされた。
執拗と言っていいほど丁寧に淫玉を撫でられ、私は叫んでしまいそうな衝動に身を震わせる。
「あ……っ、ぁあ……っ、んぅ、う、んぅーっ!」
何をされても気持ち良く、あまりに強い悦楽に気を失ってしまいそうだ。
「指、もう一本増やすぞ」
アルフォンス様がそう言ったあと、蜜孔がさらに拡げられる感覚を得た。
「ん……っ」
不思議な事に、粘膜を引き伸ばされて太い指を入れられているはずなのに、ほぐされたからか痛みは感じない。
彼はそのあとも乱暴にしないように、慎重に私の蜜壷を擦り、親指で淫芽を転がして刺激を与えながら、私の乳首を吸い、もう片方の乳房を揉んでいた。
「あ……っ、や……っ、も、――――達っちゃう……っ!」
アルフォンス様が手を動かすたびにぐっぽぐっぽと憚らない音がし、聴覚からも興奮した私は高まりを覚えて訴える。
「何回でも達っていい。――――達きなさい」
彼の慈愛の籠もった……と言っていい視線を受け、私は大好きな人の前で粗相でもしてしまうような背徳感を抱きながら、全身をギュッと胎児のように丸めて絶頂した。
「ん……っ、ん、ぅう……っ、ふっ……」
私はアルフォンス様の腕をギューッと握り締め、次々と襲い来る快楽の波濤を堪える。
「はぁ……っ、あ……、…………ぁあ…………」
ぐったりと脱力した私は、心地いい悦楽の残滓に浸り、トロンとした目で天蓋の内側に描かれたフレスコ画を眺める。
視線を移すと、彼は愛蜜で濡れた指を舐めていた。
「……っ、あ、あの……、恥ずかしいので、それは……」
赤面して訴えると、アルフォンス様はニヤリと笑う。
「君の味を覚えておきたい。もう、体液の一滴すら俺のものだからな」
強い独占欲を見せられた瞬間、私はボボッと発火したように赤面していた。
彼は指についた愛液を綺麗に舐め取ったあと、ジッと私を見つめる。
「……な、何か……?」
乳房が曝け出されたままだったと気づいた私は、両手で胸元を隠して尋ねた。
「このまま君の純潔を奪っていいものか考えている。俺たちは結婚式を挙げた訳だが、表向きはレティシア王女と結婚した事になっている。君としても、フェリシテとして妻になってからのほうが、気持ち的に収まりがいいのではないかと思って」
替え玉になってアルフォンス様と結婚式を挙げ、初夜……と、緊張して臨む事が多くて失念していたが、彼の言う通りだ。
「……そうですね。アルフォンス様とフェリシテの結婚が認められ、本当の意味で夫婦になるまで、お預けにしたほうがいいと思います」
「分かった。そうしよう」
決まったあと、彼は私の隣に寝転んでバフッと羽根布団を掛ける。
「君をちゃんと大切にしたい。問題をきちんと解決したあかつきには、俺の妻になってくれ」
「はい……!」
そのためには、まずあの魔石を何とかしないと。
魔石の影響さえなくなれば、上皇陛下を苛んでいる呪いが軽くなるかもしれないし、彼が意見を変えればそれに従う人も勢いを失うだろう。
アルフォンス様が皆に言う事を聞かせられない皇帝なのではなく、貴族たちが魔石の影響を受けすぎているのだ。
結婚式の祝宴で見た帝国貴族たちは、さすが帝都にいる人たちだけあって、洗練された雰囲気のお洒落な人々だ。
けれど晩餐会の時に挨拶に訪れた人々と言葉を交わした時、異様な雰囲気を感じた。
中には礼節を守り、丁寧に挨拶してくれた人もいたけれど、上皇派とおぼしき人たちの顔は……、何と言うか、欲望が滲み出た表情をしていた。
〝聖女〟である私を前にしても、私利私欲を隠さず、自分だけを贔屓して加護を与えてほしいと、堂々と言う人もいて閉口した。
気品と優雅さを保ってこそ貴族なのに、あれでは成金と変わらない。
いかに自分が財力、権力を持っているかを誇示し、それを主張すれば〝聖女〟が心を傾けて自分を気に掛けてくれる……。
そんな単純な考えが透けて見え、「貴族とは……?」と混乱してしまいそうになる。
それをアルフォンス様に打ち明けると、彼は深い溜め息をついて言った。