テラーノベル
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「…結局、アリスが女王を殺すことはないんだな。」
「だから言ったでしょう、お望み通り殺して差し上げます、と。」
「アリスは俺たちにはない感情がある。俺たちに生きていてほしいと願う。それはつまり、アリスは人間だということだ。」
「ここに迷い込むものは人間だけだ、今更何を言っているんだい?帽子屋。」
「でもイイ顔を見せてくれた人間は久しぶりだったにゃー。」
「それはそうね、私に跪く彼の姿は忘れられないわ。」
「二人とも恐ろしいなぁ、随分と悪趣味なことで。」
「…イモムシ、もう少し口を慎め。」
「いいのよ、あながち噓ではないもの。」
「お話中すみませんが、そろそろお時間が迫っております。解散しなければ、その分予定が狂ってしまいます。」
「そうか、流石ウサギだ。秒刻みでスケジュールを組み、時間に縛り付けられているだけある。」
「貴方に言われると苛立ちます。黙っていてください。…そろそろ解散しましょう。」
「あっという間だったにゃー、ばははーい。」
「俺も帰るよ、今日は大事な事をしなければならないんだ。」
「そういって兄貴はいっつも意味不明な事してるくせに。…女王様、城に戻りましょう。」
「私も一緒に帰るよ。帽子屋、ありがとう。」
「お邪魔したわ。それじゃ、ごきげんよう。」
「ああ、ごきげんよう。」
…茶会というものは、この世で一番つまらなくて楽しい。アリスが居た時は、初めて楽しいと思ったものだ。何故アリスが居ないとこんなにも平々凡々で退屈なんだろう。この世界は不思議だ。
「君もそう思うだろう、チェシャ猫。」
「あーあ、バレてたかー。」
「君だけ姿を隠した後に帰らなかったからね。どうかしたのかい?」
「んー、ちょっと思い出したことがあって懐かしんでたにゃ。」
「やはり君もアリスが現実世界に帰った事を惜しく思っているんだろう。」
「まーね。アリスがずっとここに居たら、どんな顔をしてたんだろうなって。」
「それはアリスにしか分からない。俺たちにはないものをアリスが持っていて、アリスにはないものを俺たちが持っているんだ。ツギハギだらけのこの世界観はアリスに分からないのと同じさ。」
「結局何が言いたいのかは分かんないけど、とりあえずうちらに分からないってことっしょ。」
「そうだ。しかしそれを、色んな調味料を混ぜて考えてみるのもいいだろう。」
「それもそうにゃ。じゃあそろそろうちに帰るにゃ。ばははーい。」
「じゃあね。……ひひひっ。また『何でもない日』が帰ってきた。おめでとう。一人でこっそり紅茶を飲もう。」
コメント
2件
鏡ひかる口調とかむずいのに再現できてるのすごぉ★