🖤蓮side
カフェの近くに大型の公園があって、そこの池のほとりの東屋にいるはずだから、と阿部ちゃんに教わって俺は走って向かった。
公園は人もまばらで、しょっぴーはすぐに見つかった。
あまり綺麗とは言えない小さな池のほとりに、東屋が一棟建っている。
ベンチのそばに、しょっぴーが立っていた。
遠くを見ている。
耳にはイヤホンを付けていて、小さい声で、何かの曲を口ずさんでいた。
綺麗だと思った。
とても綺麗だと。
そして初めて俺は自分がしたことを後悔した。
美しくて、侵してはいけない大切な花を、俺は自分で手折ろうとしたのだと思った。
舘さんの怒りも、阿部ちゃんの悲しみも、今の俺には理解できる。
俺はただの我儘な最低野郎だった。
💙めめ
しょっぴーが先に気づいて、手を上げた。
俺は、覚悟を決めて、しょっぴーのところへ歩いた。
🖤しょっぴー、ごめん
💙うん
🖤本当に、ごめんなさい
💙もういいよ。その話は
しょっぴーは静かに言った。
💙俺、阿部ちゃんに全部話したんだ
🖤うん、聞いた
💙お前に断りもなく、話してすまなかった
🖤そんなの、俺が全部悪いんだから…
💙でさ
🖤うん
しょっぴーが少し口ごもる。
俺はどんな酷いことを言われても耐える覚悟で拳を握り締めた。
💙俺、お前のこと好きなのかな…って
🖤え?
💙ごめん、驚くよな
聞き間違い?
俺はおそるおそる顔を上げた。
しょっぴーの頬が赤くなっている。
あまりの急展開に頭が追いつかない。
💙嫌だったんだ。初めは
🖤うん
💙お前に無理やりされるとか、そういうの。本当に嫌だった
🖤ごめん
もう謝るなよ、としょっぴーは優しく言って、話を続けた。
💙でも、お前がそばにいなくなったらさ、俺、寂しくて
🖤しょっぴー……
💙だって、今まで一番近くにいてくれてさ。いっぱい、話、聞いてくれたじゃん?
🖤うん
💙急にいなくなってさ、俺、やっぱり寂しくて
🖤うん
💙本当は怖いんだ。今も
しょっぴーは少し震えていた。
俺は胸が痛んだ。もっと気持ちを優しく伝えていればこんなことにはならなかったのかなと思うと胸が締め付けられた。
しょっぴーは深呼吸をして、意思の強い目で俺を見つめた。
💙ゆっくりで、いいかな?
🖤ゆっくり…?
💙ゆっくり、付き合うのでもいい?
🖤………俺、夢見てる?
しょっぴーはこの時初めて笑顔を見せた。
そして、俺の手を取った。
💙めめと一緒にいたい
俺は今度こそ優しくしょっぴーを抱きしめた。
🖤俺も一緒にいたい
💙よろしくお願いします…
こうして、俺たちは付き合うことになった。
長い道のりだったけど、俺は一番欲しかったものを手に入れた。
これからも喧嘩したり、怖がらせてしまったり、傷つくこともあるだろう。
でも、俺は絶対この人を離さない。
一生、この人を離さない。
神に誓って、この人を愛し続けると誓う。
🖤しょっぴー、大好きだよ
💙知ってる
俺たちは、池に向かって手を繋いだ。
おわり
コメント
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めめなべ〜🖤💙 いいお話だった!ありがとう🫶
お返事ありがとうございます。 いつも作品楽しみに読ませてもらっています‼️ はい、めめ担です🙂