⚠一次創作
百合
シリアス風です
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「黒百合の花はキレイだった。」
「ーー!!!」
もう、何を言ったのかも分からない。
ただ、もう私も大人なのに全て制限され、決まったレールを進むこんな家に嫌気がさして家を飛び出したのだろう。
今私は裸足で冷たいコンクリートの上を空を見上げながら歩いた。
そして私は気付いたら暗い無人駅に立っていた
(ここに飛び降りたらー楽になれるー)
「ねぇ!君、」
そう後ろから誰かに声をかけられる
声からしたら小学生よりかは上くらいの女学生くらいだろう
「君、今ここから飛び降りて死んじゃおうとしてた?駄目だよ〜、電車で死んじゃったら他の人に迷惑かけちゃうじゃん?」
そういうと、彼女は私の顔をのぞきこんだ
声と比例しているのか、彼女は社会人の私より小さく、とても可愛らしい顔をしていた
「…誰なの、貴女」
そう私が冷たく彼女に聞く、
「私?名前はそうだなぁ〜、」
「クロユリ。」
彼女はそう名乗った
珍しい名前だなと思っていたら、彼女がまた話し始めた
「それより、貴女はなんていうの?」
「……別に、知らなくていいでしょ、」
私は親から付けられた名前が大嫌いだった
「でも呼び名無かったら困っちゃうしなぁ〜」
「別に友達になるわけでもないし困らないでしょ」
「えぇ〜?!困るよ〜!君なんかつまんなさそうだし、私の目的に手伝って貰いたかったのに!」
「…目的?」
全てのことに興味がなくなっていたのに、何故か彼女のいう「目的」には興味を引きつけられた
「ん〜、それはね、」
「「死ぬ理由を探すこと。」」
「死ぬ理由を…?」
「ま、君が興味無いんだったら私は一人で行くとするかぁ〜〜、無理やり連れて行ったら誘拐になっちゃうし!」
「誘拐って…私より年下でしょ…」
そう彼女は去ろうとした
「…、待って!」
「、?」
「私も…!連れて行って…!」
気付いたら口がそう勝手に喋っていた
「…ん、いいよ、」
それから私達は一緒に「目的」を叶えるために歩いた
「……てか、これ、なにが終わりなの?」
「ん〜…まぁ、最終的に死ぬ理由が見つかったら終わりかなぁ、」
「君は、なんでついてきたの?」
彼女がそう聞いてくる
「…私も、まぁ…死にたい…し、」
「ん〜、じゃ、理由見つかったら一緒に死のうよ、」
「…うん、」
そんな変な会話をしながら、ただ何もない田舎の田んぼの近くを歩いた
ただ一つ分かることは、
彼女の横顔が、とても美しかったことだけだった
何日か経ち、夢を見た
小さい頃の私が、家族と楽しそうに笑う姿。
ーもう、戻ってこない
「ーーん!さん!!!」
聞き覚えのない声で私は目を覚ました
目を開けたら視界は真っ黒だった
死んじゃったのか?
そんなことをぼんやりと考えていると、声をかけられた
「良かった、ーーさん、」
そう看護師さんかなにかが私の大嫌いな名前を呼んだ
何処かで倒れでもしたのか?
一つ分かることは、目が見えなかったことだ
そんなことを考えていたが、私はさっきの人に声をかけた
「……あの子…は?」
「…?あの子?…?」
看護師は私を夢でも見ていたかのような声で答えた
…そうなんだ、
彼女は、見つけたんだ。
クロユリはまるで天使だった。
いや、もしかしたら死神だったのかもしれない。
私の右手には大きな傷ができた
パッと出て来て、気付いたら消えていた
でも、彼女は失敗した
病室の、窓から外を見ながら呟く
「…、私に生きる理由を作ったくせに。」