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「ごめん!俺、まだ、課題終わってなくて…!日曜日だったら一緒に行ける!」
「わかった!じゃあ、行ってくるね〜!」
相変わらず、僕と莉犬くんでは、態度が180°違うね(笑)。うん(笑)。
「いっただっきま〜す!」
「美味し〜!」
僕の目の前で、とても美味しそうに食べてくれる莉犬くん。
「ねぇ。」
思い切って、僕は聞いてみる。
「莉犬くんってさ、僕が隠していることはなにか、知ってる?」
そう、使えるなら、僕が、なにを隠してるかわかる。
「へ?あ、え、し、知らない〜よぉ〜?うん〜。わか、んないから〜ね〜?」
あ、こりゃ知ってる。
莉犬くんはお利口だから、嘘をつくのが「ど」が付くほど下手だ。
「知ってるでしょ?」
「…。うん。俺、知ってるよ。」
うん。やっと認めてくれた!
「じゃあ、なに隠してると思う?」
「本当は女の子。学校では人気者で頭が良い。…。お母さん?お母さんの?」
「正解!そうだよ。お母さんの”魔法”。莉犬くんも持ってるでしょ?」
「うん。俺は、人の記憶を消すのと人の考えを読むこと。ころ兄は?」
「僕は、莉犬くんと同じ人の記憶を消すのと、瞬間移動。」
「それから想像した物を創るのと、物を動かすことだよ。」
そう、人の記憶を消すのと瞬間移動はお母さんから、
想像したものを創るのと物を動かすこと、人の考えを読むことはおばあちゃんから。
「多いね。それにしても、どうしてわかったの?」
そりゃあ、
「莉犬くんの性格が、お母さんに似ていたからだよ。」
これしか理由はないじゃないか。
おばあちゃんにお母さんは似ていた。僕はお母さんに似ているって言われた。
3人の共通点は能力(魔法)。だから莉犬くんもって。
「でも、これは秘密ね。」
「うん。でもさ、だったら、俺の秘密も聞いてよ。」
お兄ちゃんに逆らったことなどない、
恥ずかしがり屋でちょっと引っ込み思案の莉犬くんが、
自分の秘密を人に打ち明けるのは初めてだという。
「わかった。でも、腹を割って話してね。隠し事はなしだよ。」
そうして話しだした莉犬くんの言葉には、僕も驚かさられた。
「俺ね、戸籍は女の子なの。」
初めのその一言で、僕は。
「性同一性障がいっていうやつなの。」
なんで。
「お母さんがね?お父さんに知られる前にって。」
なんで。
「みんなの俺は女の子だって記憶、消しちゃったの。」
なんで、言わなかったの?僕でいいなら、相談にだってのれたのに。
なんで?
「!ごめん…。」
え…?
「ほ、ほら、俺の魔法、考え読めちゃうから。」
そっかぁ。だからか。
あの時、___________してくれたのは。