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美奈、「」
らん、『』
風紀が厳しいことで有名な私立・桜蘭学園。
その中心に君臨するのが、生徒会長・らんだった。
成績トップ、容姿端麗、無駄な私語は一切しない。
その完璧さゆえに学園内では「氷の会長」と呼ばれている。
…….が。
美奈:「会長、また寝てますよ。」
生徒会室のソファで会長の顔をのぞきこみながら、副会長の美奈はため息をついた。
美奈:「昨日も夜遅くまで書類やってたんでしょ。ちゃんと寝ないと死にますって。」
らん:『……美奈、敬語。』
美奈:今はそれどころじゃないです。
そう言いながら、美奈はらんの肩にそっとブランケットをかける。
すると、閉じていた会長の目がわずかに開いた。
らん:『……お前、距離が近い。』
美奈:「今さらですか?」
美奈はにっと笑う。
学園中が恐れる会長の”素”を知っているのは、たぶん自分だけだ。
完璧主義で不器用で、放っておくとすぐ無茶をする。
らん:『美奈。』
美奈:「はい?」
らん:『……その、今日は放課後、予定はあるか。』
珍しく歯切れの悪い声。
美奈は一瞬きょとんとしてから、わざとらしく首をかしげた。
美奈:「デートのお誘いですか?」
らん:『ち、違う!』
即答で否定する会長の耳が赤い。
らん:『ただ……少し、話がある。』
美奈:「ふーん。じゃあ、生徒会の仕事終ったらですね。」
そう言って美奈は書類に視線を戻すが、口元は隠しきれず緩んでいた。
美奈:「(ほんと、分かりやすいんだから)」
生徒会室では、学園の規則を守る場所で、誰にも言えない想いが、
少しずつ育っていく…。