【シーズン1 第1話】
最初の異変 ― 世界秩序の揺らぎ
西暦20XX年。
国連本部で開かれた世界平和サミットは、
何も決まらないまま、静かに幕を閉じた。
各国の指導者たちが壇上で笑顔を交わす一方で、
水面下では**「次の戦争」をどう勝ち抜くか**を必死に考えていた。
見えない冷たい空気が、世界中を覆い始める。
【ヨーロッパ:迫りくるロシアの影】
ロシア連邦はバルト三国(エストニア・ラトビア・リトアニア)への圧力を強め、
国境付近では連日のように軍の演習を続けた。
バルト三国はNATOに援助を求め、アメリカ軍とドイツ軍が増派される。
一方、ポーランドでは、
「ロシアに備えろ!」というスローガンが街中にあふれ、
反ロシア・親欧米運動が一気に加速した。
しかし、ウクライナでは別の動きも。
「このまま西側に従うのか?」と疑問を持つ親露派が勢力を伸ばし始めていた。
ヨーロッパは、目に見えない戦場と化しつつあった。
【アジア:南シナ海と台湾の危機】
南シナ海では、
中国が次々と人工島を軍事基地化し、実効支配を強めた。
これに反発したベトナム、フィリピン、マレーシアが合同で軍事演習を開始。
日本もこれを支援し、空母打撃群を派遣。
一触即発の状態に。
台湾では、
中国軍が大規模な上陸演習を始める。
「台湾統一作戦」の準備が着々と進められていた。
アメリカは空母「ロナルド・レーガン」を台湾海峡へ向かわせ、
日本、オーストラリアも艦隊を動かす。
太平洋の緊張は、もはや限界点に達しようとしていた。
【中東・アフリカ:拡大する混乱】
中東では、イランとサウジアラビアの代理戦争が悪化。
イエメン、シリア、レバノンでは武装組織が互いに代理戦争を繰り広げる。
イスラエルは周辺国への軍事作戦を拡大。
エジプトとトルコも介入を始め、混迷は深まるばかりだった。
アフリカでは、
コンゴ民主共和国を中心に新たな内戦が勃発。
鉱山地帯を巡り、地元民兵、フランスのPMC、中国軍の傭兵部隊が三つ巴の戦いを開始。
南スーダン、中央アフリカ、エチオピアも次々と火種を抱え、
「アフリカ全土が戦場」と呼ばれる状況になり始めていた。
【世界中で膨れ上がる社会不安】
経済危機
食料不足
インフレ爆発
失業率急増
民主主義体制への不満
各国では暴動と小規模なクーデター未遂が相次いだ。
都市では軍隊が警備に出動し、緊急事態宣言が常態化。
民主主義国でさえ、戒厳令がちらつくようになった。
「国民を守れない政府など、必要ない」
そんな声が、世界各地で囁かれ始めた。
【そして、見えない胎動】
この騒乱の中、
世界の裏側では、奇妙な噂が広まり始めていた。
「古き帝国を復活させよう」
パリではナポレオン主義者たちが地下で集会を開く
ベルリンでは帝政ドイツの亡霊が蠢き始める
モンゴル高原では「チンギス・ハーンの再来」を望む秘密組織が動き出す
イスタンブールではオスマン復活を叫ぶ若者たちが武器を集める
誰も公には語らない。
しかし、確かに、
「帝国復活」の芽は世界各地で静かに広がり始めていた。
世界は、まだ大戦には至っていない。
だが、それは「ただの偶然」だった。
一発目の銃声が轟けば、
この世界は、あっという間に狂気の渦へと飲み込まれるだろう――。
次回、
【リメイク版 第3話】
「最初の衝突 ― 崩れゆく世界秩序」
開幕。
【この話でのポイントまとめ】
世界中が「爆発寸前」の状況に
ロシア・中国・中東・アフリカで特に緊張高まる
世界各地で「帝国復活」を夢見る勢力が極秘で動き出す
まだ誰も一線を越えていないが、それは時間の問題
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