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真っ白でフワフワとした、肩まである髪。五条先生よりも深い、青色の瞳。白と紺をベースにした、いいとこのお嬢様学校みたいな制服っぽいワンピース。同じ色の小さめのベレー帽を右斜めに被っている。レースの付いた短めの白いソックスに、青いストラップパンプス。身長はそこら辺の小学生とほぼ変わらないくらい。まるで、人形みたいな人だと思った。そんなお人形みたいな人が、パフォーマンス筆のようなものを軽々とぶん回してカラフルに彩って、呪霊を祓っている。「僕のお嫁ちゃん、すごいでしょ?」「えっ…!?」ひょい、っと現れてやってきたのは五条先生だった。挙句の果てに、とんでもないことを聞いてしまった気がする。お嫁さん…?まて、大体小学生くらいじゃないのか。「アンタ…犯罪じゃないよな…?」「んも~、恵ったら酷いなあ!確かに傍から見たらそうかもだけれどちゃんと籍も入れているからね、僕たち。」情報量が多くてポカン、としていたら祓い終わったのか、五条先生のお嫁さんが近寄ってきた。「大丈夫ですかー?ってあれ、五条先生どうしてここに?」「いやあ、君の顔見たかったの!それに今は同じ五条なんだから、下の名前で呼んでよ♪」公私混同はダメでしょ、と言う彼女を見る。くるり、と向き直って自己紹介された。「いきなりごめんね、私はこの人の言う通り、結婚していて学校とかでは旧姓を名乗っているけれど、五条 彩子。皆は藤ヶ谷先生、って呼ぶけれどね。」「…そうですか。失礼かもしれませんがその…脅されているとか…。」そう聞けばきょとん、としてアハハハハ!と大爆笑されて大丈夫、大丈夫と言われた。「その制服、うちの学校の子だね?私は文学担当なんだ~、よろしくね。」「あ、俺は伏黒 恵です。よろしくお願いします。」「うんうん、いろいろ気になると思うけれど実年齢だけシークレットね!まともに数えると、五条先生よりちょっとだけ上なの。見た目に関しては、簡単に言うとこの姿の時に掛けられた呪いのせいで、ずっとこのままみたいなの。色々試してみたんだけれど、駄目だった。」それを聞いて…何も、かける言葉が見つからず俯くとああ、気にしないで!この姿、嫌いじゃないんだ。今の子供の服って安くってかわいい服がいっぱいあるから楽しいし、と言って笑っている。そして、虎杖と釘崎がいるときにはじめて藤ヶ谷先生が授業をするとき。
「えっ、せんせいいくつ!?可愛い、肌ぴちぴち!!」「こんなに可愛らしいのに、五条せんせーのお嫁さん…。」その反応に伏黒は、俺もそう思ったと言わんばかりにひっそりと頷いている。やっぱりびっくりするよね?と先生は笑っている。「ねえ、藤ヶ谷先生はどうやって五条先生と出会ったの?」「ふふっ、秘密。」
野薔薇ちゃんに聞かれて、ふとあの時を思い出した。
初めてあの人と会ったのは、彼が高校生の時。教師になってまだそんなに経たない頃、授業に出た日のこと。「こんにちは!私は藤ヶ谷彩子です、文学担当です。よろしくね。」結果、皆驚いていた。夏油君はこんな子供まで駆り出されるなんて…と言っているし、硝子ちゃんはせんせー可愛いね、なんて言い出すし生意気だったあの人は…。「ガキが先生?冗談だろ。アンタが俺らに教えられることなんてあるのかよ。お人形遊びでもしてろよ。」「ごめんね。皆より実年齢は少し上なんです。呪いで、見た目が全く変わらないんだけれど一応先生で、ちゃんと教員免許も持っているので先生、って呼んでくださいね、五条君。」これが、初対面。悟君は今よりちょっと尖っていた。今となっては昔が信じられないくらい、マイルドになったけれど。
「今日もよろしくね。あれ、五条君は?」「あー…私も引き留めはしたんですが、多分どこかでバックレています。すみません、先生…。」「そうなんですね、ありがとう夏油君。二人とも、前のところは覚えているかな?板書した所だからノート見返しながら、このプリント埋めていてくれる?埋めて答え合わせできたら好きなことしていていいよ~。」「せんせー、また行くの?やめときなって。」「ごめんね、硝子ちゃん。単位とかも心配だから行ってくるね。」夏油君たちは苦笑している。授業態度は確かに悪いけれど、テストはそれなりに回答できているから、単位に関してそこまで言うこともないけれど。
屋上までとことこ、と登っていき扉を開けて、はしごの上を見上げたら…五条君が気だるげに座っていた。
「五条君。またここにいたの?」「あれ、藤ヶ谷せんせーじゃん。いいの?傑たち放っておいて。」「彼らはまともに受けてくれるので、プリント渡しておいたの。五条君、先生の授業嫌い?」「んーん。せんせーならサボらせてくれるし。テスト答えられれば大丈夫だろ。」…仕方ないな、と思ってちょっと待っていてね、と言ってはしごから上へ移動する。一つ分開けて五条君の隣に座った。「…何のマネ?せんせー…」「じゃあ、五条君が教室に行くまで、私も動きません。」そう言えば、毎回俺行かないの知っていて、よくやるよなあ、と笑ってくる。そう、いつものこと。「せんせーもサボりたい、とか?」「皆とお話するのが好きなので五条君、早く教室行こうね。」「俺、この時間は動かねーよ。それでもいたいなら勝手にすれば?」「じゃあ、勝手に五条君の隣に座っているね。」沈黙。私はいつも、何かしら小説を持ってきては開いて何ページか読んだところで五条君が、話しかけてくる。「…せんせー、それ何?」「これ?これはね、コーヒーが温かいうちに、って小説。先生ね、この世界観好きで何度も読み返しているの。」「…どんな話?」「過去に戻れる、っていう噂の喫茶店があってそこを訪れた人たちの、家族と、愛と、後悔の物語だよ。」「…へえ、おもしろそ。それ、貸してよせんせ。」「いいよ。その代わりちゃんと感想聞かせてね。ダメならノートに原稿用紙400字詰めの一枚分、書いてくれるかな?」「俺、いつもやってるから楽勝だし。」そう。こうやって読んでいる小説を借りられては、その度に感想文を書いてもらう。最初ははあ!?と反抗しつつも、最近は書いてくれるようになって、感想の共有ができて楽しくなって、単位については本当に心配なんてない。「この前のコンビニピーポー。あれ、面白かった。」「ああ、感想文にも書いてあったね。先生も、普通って、幸せって何なんだろうなあ?って考えながら読んでいたら、新しい気付きもあって、楽しいし斬新だよね。五条君たちくらいなら、ささるところもあったかな?」授業に出なくても、こうした不思議な関係性になった私たち。
小説のみならず、懐かしくてつい図書室や図書館から借りた絵本も読んでいて、興味を持たれて貸してしまった。ここで借りられるよ、って言っても先生から借りた方が確実だ、って聞かない。意外と返却期限に間に合うように返してくれるし、感想も見ていて、五条君らしい、とつい頬が緩んだ。教室に行くそぶりを見せたかと思えば、図書室に入ってオススメ教えてよ、っていう巧妙な罠も仕掛けてくるようになった。ちゃっかり、私も私で、来たついでに本を借りたり返したりする。
そして、五条君にオススメの本の紹介。彼はあの時から相変わらず、飽きもせず聞いてくる。正直、興味なさそうだったけれど本の楽しさを知ってくれて、先生としても、私自身としても、すごく嬉しかった。「五条君、飽きもせずよくお話聞けるね。」「せんせーの本、意外と悪くないから。悔しいけど、読みたくなる。せんせーもよく、ネタが尽きないよな。」「本の虫兼、文学担当の意地かな。」笑いながら言えば、五条君もなんじゃそりゃ、って笑ってくる。
ある時。教室行かず図書室行く五条君に、ついていく。
高い場所にある童話が読みたくて、専用のスライド式のはしごを持ってくる。上って取ろうとした時。「どれ取ればいーの?」「えっとね、ピンク色の背表紙の、太めの本…。」「ん。」五条君が、目当ての本をもって差し出してくる。ありがとう、と言えばちっちゃいんだから落ちたらどうすんの、せんせー、と言われる。言葉は尖っているけれど、優しいところもあって、いい子だから。
ある日の、受け持ちの授業がない日。事務作業とかを手伝っていた時のことだった。夜蛾学長に藤ヶ谷先生、と呼び止めらて学長の方を見た。「すみません。実は生徒が2級呪霊と言われていたはずが、特級に当たってしまって…向かっていただけませんか。」「…今、行っているのってもしかして、五条君の方ですか?」「はい。」「分かりました。」私は、愛用のパフォーマンス筆を背負って出かける準備をする。
送迎は必要なかった。というのも、現在地から行きたい場所へ呪力のこもった色で、筆で橋をかけるように伸ばして描けば行けるから。早く着きますように。五条君は強いけれど…心配だった。「五条君!!」「は?せんせー…どうしてここに。」俺は余裕だ、なんて言っているけれど所々から血が出ている。制服もボロボロだった。「五条君、君は帰ってください!」「んでだよ…何でだよ!俺はまだ戦える、ふざけんじゃねーよ!!」「五条君、後は任せて下さい。ここまで、よく頑張ったね。」「終わってねー…そこまで、して…。」「だって…」大事な生徒だから。「!!っ…何だよ…それ…。」五条君、ちょっと抱っこしますよ、って言って学校まで描いた線に乗ってもらって、五条君が移動する。この線は、目的地に人が辿り着いたら消えて、乗ったら降りるまで止まらない。「っ、せんせ!!下ろせよ、これ!!」何度も五条君が言ってきて、遠のくまで見届ける。くるり、と向き直って。「あなたが、五条君を傷つけたんですか。」「グギガガガガが!!」「うちの可愛い生徒を、よくも傷物にしてくれましたね。とっておきをお見舞いしますね…!!」私は筆を構えた。この筆は、軽いけれど、消して柄は折れることはなかった。
小さいままの呪いと同時に、この筆が現れた。出される色はその時の感情に寄るので大体暗い色や、怒りの赤、悲しみの青。柄の先は、ちょっと細工をしてボタンを押せば細い切っ先が現れて、棍の様な武器としても使える。呪具と言うわけでもないけれど、私専用の武器。
五条君の傷ついた様子が脳に焼き付いて、冷静に戦っていられなかった。呪力のこもった切っ先で少しずつダメージを与えて、とどめを刺そうとした時。足元をすくわれて、ぶん投げられる。幸い受け身を空中で取って捻ったためそこまでひどく打ち付けることはなかったけれど…擦りむいた数か所からちがじわっ…と出てくる。いける、と思ったのか呪霊がニタリと笑っていたけれど、その隙をついて…怒りに濡れた筆で思いっきりインクをかけて、塗りつぶす。
その後。怪我をいっぱいしたけれど四肢は無事だから、大丈夫。それより、五条君はちゃんと帰れたのか。それだけが気がかりだった。保健室で休ませてもらっていたら、隣からパーテーションをピラッ、っとめくられて…。「よお、せんせ。」「あ、五条君のお隣だったんだ。」「んだよ…元気そうで…良かった。」五条君が珍しく、しおらしい。大きな手が伸びてきて左手を掴まれそっと握られる。寂しいのかな、と思って握り返した。「五条君、大丈夫。先生がいるからね。」「うん…せんせー、手もちっちゃ。」「子供のころから変わってないからね。見た目年齢10歳くらいだからね。」しばらく寝ようね、と言ったけれど結局五条君と喋って、学校が閉まる時間まで、横になっていた。
それから。五条君は意外なことに、授業に出てくれる日が増えて、呼びに行く手間が省けて、4人そろって授業ができて嬉しくもありつつ…。あの時間も悪くなかったな、なんて考えている自分がいた。「じゃあ、今日はここまで。皆、お疲れ様。」「あ、藤ヶ谷先生。」「何かな、夏油君?」「悟から聞いたんですけれど、悟に本を貸しているって本当ですか?ぜひ、私にも教えて…」「おい傑、俺が教えてやるからせんせー呼びとめんなよ。」夏油君に教えようと思っていたら、ずい、っと五条君が割って入ってきた。五条君に大体教えてしまったしいいのかな、と思っていたら硝子ちゃんが先生次あるでしょ?行きなよ、と言われたのでお言葉に甘えさせてもらうことにした。
それから授業終わりになる度、貸していた本があればその感想を書いた原稿用紙と本を差し出して、これ、と言われて返却されるようになった。心なしか、夏油君は生暖かい目で見てきて、硝子ちゃんもどこか楽しそうだった。皆が楽しそうならいいかな。夏油君も時たま感想文を渡してきて、彼の感想文も読むのが楽しくてありがとう、と言えば傑より俺の感想がいいよな、せんせー?とつっかかってくるようになった。二人共の感想、とっても楽しいよ?
硝子ちゃんとばったりお昼休みに会って、お疲れ様~、と言った時。「ねえ、せんせー。面倒な男に好かれちゃったね。」「…?そういう呪霊がいるの?たまにそう言った性癖の人、追いかけて来るけれど愛用の筆があるから大丈夫!」「呪霊の方がまだかわいいかも。そっか、でもちゃんとヤバそうなときは助け求めな。」…生徒に心配されるとは、面目ない。そうだね、と言って立ち去った。
しかし、面倒な男…?誰のことかな…。
そしてまたある日。夏油君にばったり会った。「夏油君、お疲れ様~」「あ、お疲れ様です、藤ヶ谷先生。あの…お節介かもしれませんが、何かあったら言ってください。」「…うん?ありがとう。」硝子ちゃんにも似たようなことを言われたような…。
この時までわからなかったけれど、3日後、その意味が明らかに。
五条君が分からないとこあるから、今日の放課後教室で教えてせんせー、と言ってきて約束した。
放課後になって、とりあえずいつもの荷物をもって教室に入る。夏油君と硝子ちゃんはもう帰ったらしい。五条君と、二人だけ。「先生、1時間後に会議あるから、その前までなら教えられるよ。どこが分からないの、五条君?」硝子ちゃんの椅子と机を借りて、教科書を開いて聞けば…。五条君の顔がものすごく近くにあってびっくりした。「ちょっと五条く…」「…はあー。せんせー、ちょろいなあ。わかんないとこ、ない。これ、せんせー呼んだ口実。」「えっ、そうなの?じゃあ、帰ろっか。」「俺、悪い子だから帰らないよ。」ぐっ、と大きな手が私の肩を掴む。力ではさすがに勝てない。離して、と言ってもやだね、と返ってくる。五条君、一体何するつもりなんだろう。「俺…せんせーのこと、好きなんだけど。」「…えっと、ありがとう…?」私も五条君のことは好きだけれど、違う意味…?だーもー、そうじゃねえ!!と頭をガシガシ、と掻き始める五条君。「その…一人の、女としてだよ!!」「…ええっ!?」あの、五条君が。私を、好き。異性として。
どこかで駆け落ちとかの話も聞くけれど、関係が学校にばれて…というニュースも思い出して、冷静になった。「五条君。気持ちは嬉しいけれど、色々難しいと思う。」五条君は、こういうことを冗談で言う子ではない。表情と声色からもそれは読み取れる。さっきまで赤かった顔も冷めて、沈黙。「…。」「…。」どうしようかな…と思っていたとき、そう言えばぴったりな小説が入っていたような。カバンから取り出して、これだ、と思い話す。「私の呪いは解けない。私と一緒になる、と言うことはここの小説に書かれているような思いを、五条君はするの。読んでみて。」今夜、ロマネス劇場で。「…分かった。」その日はそれで別れた。
会議があったけれど、あまり内容が入ってこなかったのは初めてだった。
次の日。今度は放課後に、屋上に来てほしいと言われて行った。「せんせー。」「何?五条君。」小説全部読んだ、と言われて偉いね~と頭を撫でる。感想今から言うから、耳の穴かっぽじってよく聞いて欲しい、って。サングラスを外して、綺麗な青い瞳が露になった。「せんせーとそういう事できなくても、俺、この主人公みたいに幸せになれると思うし、何ならそれ以上に幸せになれると思う。」
「俺、せんせーが好きです。一人の女性として。」…そっか。五条君。軽々と、そういった壁すら乗り越えて来るんだね。
うっすら、分かってはいたけれど。「五条君…それが、君の答えね。でも、駄目だよ…たとえ純粋な思いであっても、先生だけは、何があっても選んじゃだめだよ。今は出会いが少ないから、年上に憧れる気持ちもあるのかもしれない。これからもっと…。」「先生まで…そんなこと言うのかよ。あの言葉、嘘だったのかよ!!俺が大事だって…っ。」「違う!!」ぎゅっと、大きな五条君に抱きついた。大事じゃないわけ、無いでしょう。「五条君。貴方はあの五条家の子なんです。途絶えるわけにはいかないんです。私は成せなくもないけれど、危険すぎるんです。それに貴方は私と違って老いる。一緒にいれば親子。年を追えばおじいちゃんと孫。
誰も、恋人なんて思う人はいない。好きって気持ちだけでは、まかり通らないことだって…あるの。」「なあ、それって、俺もワンチャンあるってこと?」「五条く…。」
「せんせーの言いたいことも分かる。それでも、俺…こんなに一緒にいてほしい人、初めてなんだよ。見合いとか入ってくるけどその女たちは俺の見た目とかしか見てない。でも先生は全部、見てくれるだろ?フツー放っておくのに、授業に毎回連れ戻そうとして結局本の貸しあいして、悪ノリで図書室行ってもにこにこしちゃって、我がままに付き合ってくれるのも、先生だけなんだって。」
「五条君…。」卒業まで生徒と先生でいれたらね。
くすっ、と笑ったら後ろからだーれだ♥と目を大きな手で隠される。「五条先生、学校ではやめてね。」「えっ、それって学校じゃなければいいってこと―!?いっぱいやっちゃお★ところで、今笑ってたね。なんか面白いこと、あったの?」移動もあるはずなのに、毎年同じデスク。そして、同じお弁当。
今日のお弁当の包みを開いて、ふたを開ける。「五条先生、聞くのは野暮だけれど覚えているかな~?」「ん?僕君のことなら何でもわかるし覚えているし、どーんと聞いちゃって?」
「言ったね?じゃあ、学生の頃、よく本を貸していたけれど、どーして図書室から借りたのでも、わざわざ私から借りたの?期限ギリギリ守ってくれたおかげで貸し出し剥奪なんてことにならなくてよかったけれど…。いつも持っていく本も、攫っちゃって。」じっ、と見つめて聞いてみた。悟君はきょとん、としてあー…僕も若かったなあ、あー。と繰り返して…ちょっと頬に赤みがさしている。「…あのね。僕さあ…君から借りたかったんだよ。」「うん。」「君から借りるって、特別なの。僕にとって。」目隠しを取って、恥ずかしそうに言う悟君。久々に、いいものを見れたなあ。そっかあ、と言ってクマさんのハンバーグを食べていたら、僕にもちょうだい、と言ってきて同じお弁当なのにって、笑った。閲覧、ありがとうございました。
人物紹介藤ヶ谷(五条)彩子先生…五条先生のお嫁さん。文学担当。趣味は読書と、甘いお菓子を食べること。幼少の頃、決して解呪できない呪いをかけられた(後に語られるはず)。ずっと見た目が変わらないので、身長は悩み。もっと伸びたい。そうぼやいていたら、届かないところは僕がいればいーじゃない★って言ってくる旦那さん。大体の術式は使えるけれど、呪われたと同時に手に入れた筆が一番しっくりくる。見えない敵のカラーリングもできるし、自分たちが敵に見えないようにすることもできるので視覚支援でも優秀。
旦那さんは今、室温で柔らかくなったバターくらいに丸くなったなあ、なんて思っている。
五条先生…僕のお嫁ちゃん可愛いよ、本当。お嫁ちゃんとは円満な関係で生活をおくっているよ!でも、僕にも…若い時期があったねえ~。お嫁ちゃんを傷つけていたあの頃の僕を殴りたい。お嫁ちゃんへの愛?語りきれないよ。学校の時は毎日、お弁当作ってくれる。早起きして頑張っているの、知ってるよ♪ちゃっかり僕も混ざるけれど(笑)隣はたまに変えたい、と言われるけれどデスクの位置決めちゃう。僕の隣でいいじゃない。