なぜ貴方はいつもすぐに居なくなるのだろう。やっと捕まえて、一生離さないと決意しても、少し目を離したすきにどこかへ行ってしまう。 いつも自分一人で悩んで、周りの人には相談もしてくれない。一人で思い詰めて、自分だけが傷つく道を選んでいく。
そんな貴方を見ているのは辛かったから、僕も一緒に悩んで、痛みや傷を分け合ってもらいたいと思って恋人になったのに、何も変わらなくて。
最初は、断るのが僕に悪いからとしぶしぶ付き合ってくれているのだと思っていた。
でも、貴方がそんな考え方をする人じゃないと徐々に分かっていって、信じたくなってしまったんだ。
貴方が幸せそうな顔で僕に笑いかけてくれるから、優しい声音で話しかけてくれるから、貴方も僕のことを好いてくれているのだと、勘違いしていた 。
本当に僕のことを好いていてくれたわけでは無いのに、勘違いして、一人で舞い上がっていた。
その証拠に、本来なら貴方が居るはずだった場所には、置手紙と一輪の花しか置かれていなかった。