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○共通点
結局俺らは誰にも愛されたことなんてなかった。
肩書きだけの両親と、喧嘩にあけくる毎日。そんな共通点で兄弟な俺らは簡単に…いや、深く信じあってきた。はずだ…
竜胆がいじめを受けていた、その事を打ち明けても貰えないことは「簡単」だったんだな…。
竜胆の手を握った時の微かな震えはもう無くなっていた。
俺に心を開いたのか、はたまたやけくそになったのか…。
そんな俺らは2人並んで線路に上を伝って歩いてく。
金を盗んで、二人で逃げて、
どこにでも行ける気がした。
額の汗も、落ちたメガネも
「どうでもいいよなw?」
竜胆の顔が綻ぶ。
それが嬉しくて、最高で、俺の顔も緩んでしまう。