テラーノベル
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・キング×今國
・最終回後if
・キャラ崩壊
・死ネタあり
・長文
・「」←キング 『』←今國
・2人が殺し合いしてます
・流血、嘔吐表現、グロ注意
(今國視点)
2人きりの店内、ネオン輝く煌びやかで賑やかな装飾とは裏腹に俺らの空気は恐ろしい程静かだった。高木…お前のせいで紫苑は死んで俺も死ねなかったんだぞ。高木はタバコを吸っており虚ろな目をして一点を見つめていた。ほんと、こいつ何考えてんだろ。
「…ロック」
高木はいつもと同じ酒を注文する、こいつロックばっか飲んでんな。
『おー』
俺は適当に返事をしコップを用意する、ちらりと見えた手首には生々しい切り傷の痕が複数残っていた。これらは高木によって傷つけられたもの、実際切られた時は涙が止まらなくて発狂したなぁ。俺は注いだ酒のコップをコースターに置く。
「さんきゅ」
高木は短めに礼を言い一口飲んだ。酒…吹きこぼしちゃえばいいのに。
「ッ…ゴホッ!」
すると、高木は青ざめた表情で酒を全部吹き返した。まさか本当に吹き返すなんて。高木は一目散に走り、俺を退け洗面台の水で口を何回か注いだ。
『…大丈夫?』
「お前がやったんだろ、こんなんじゃ死なねぇよ」
俺はタオルで高木が吹きこぼした酒塗れのテーブルを拭いた。高木はお代を払うと、荷物を持って帰ろうとした。
『もう帰んの?』
「こんな状態で店居られるかよ」
『…そう』
高木は何を思ったのか俺の額にキスをした。なっ、何でいきなりキスなんか…俺は呆然としたまま帰っていった高木を見送った。
(キング視点)
俺達の関係はあの頃からずっと変わらない、イマクニであいつが「俺を殺してヒーローになれ」と言い、俺に拳銃を持たせたあの日。あの時、俺はあいつを殺せなかった。良い子にも悪い子にもなれずに中途半端だった。そこからだ、俺が本格的に毎日のように店に足を運び、互いを殺し互いに殺される「殺し合い」をするようになったのは。そしてそれは未だに一線を超えていない。
「はぁー…歪みまくってんなぁ俺らの関係」
俺は高木塗装に帰り、1人ぽつりとつぶやいた。これは憎悪なのか愛情なのか…はたまた執着なのか依存なのか。自分でも分からない、ただ2人共にあるのは間違いなく「殺意」だ。
数日後
俺はまたいつものように店に入る、当然のごとく今國がいた。だが、椅子に座っておりうたた寝をしていた。俺が来た気配に気付いていない、日々の疲れが取れていないんだろう。…今がチャンスなのだろうか。俺は静かに今國に近づくと今國の細い首を絞めてみた。
「…なぁ、お前は俺に殺されたいんだよな。あの日からずっと…俺達の関係は最初から何も変わってない」
『っ…がっ…!うっ…』
「今なら俺はヒーローになれるのか…?ここで、お前を殺して、でも…俺はこの関係を終わらせるにはまだ早いと思ってんだ。お前も同じか?今國…」
『あ”っ…う”ぅっ…』
苦しみに悶える今國の顔を可愛いと思えてしまうほどに、俺はこいつに歪ませられたようだ。呼吸がか細くなってきた手前で手を離す。今國の首には俺の手形が赤黒く付いていた。何でだろうな、また1つ何かが歪ませられた気がした。今日は休ませてやろう。
「おやすみ、今國」
(今國視点)
朝、洗面所で顔を洗おうとしたところ、鏡を見ると俺の首には赤黒い手形の痕が付いていた。誰がやったのかはすぐに分かった。昨日、高木が俺の首を絞めたんだ。あれは夢じゃなかったんだ。あいつが来ないと思い待ちくたびれてうたた寝をしていたけれど、ちゃんと来ていたんだこの店に。そして…俺は確実に死ぬ。そしてあいつも。あいつ…今日は何してくるんだ。着替えて俺は包丁を隠し持つことにした。
深夜
俺が店の掃除をしていると高木が来た。…何だかいつもと雰囲気が違う。普段よりも殺気を感じる。
『…なんだ、高木か』
「一応客だぞ」
こんなやり取りももう何度目になるんだろう、数え切れない。繰り返し繰り返し同じことをしてきた俺達の関係は最初からずっと変わらない、でも今日がその一線を超える日なら…俺は、高木を……
「ロックで、今日はお前も一緒に飲むか」
いつもは言わない誘い文句、だけど俺は何故か情に流されて誘いを受けてしまう。気をつけないとなのに。
『…うん』
流石にもう毒薬は使えない、俺はいつも通り酒を注いだ。仕方がない、前にもやったんだからあいつには勘づかれる。
「…どうした?」
『いや、何でもない』
俺は先に高木の分の酒を用意し、渡す。その後自分の分を注いだ。高木の酒に毒は入っていない。だが高木は一向に手をつけない。
『…毒は入ってねぇよ』
「信用出来るか」
『本当だって、飲まないなら俺が飲むよ』
俺は高木の方の酒を毒見で飲んだ、すると…
『っ!?ゲホッ!!っ…ぁ、げほっげほっ…』
俺は突如鋭い喉の痛みに襲われ酒と同時に吐瀉物を吐いた。え…?嘘だ、何で…?俺が酒を注いだ時には毒が入ってなかったはずだ。まさか、俺が高木の分を先に注いで渡した時に俺が後ろを向いたその瞬間に入れたのか…?
『あ”…お”、えぇっ…げほっ、げほっ!ヒュッ…はぁっ、はぁっ…』
喉が痛くてたまらない、咳も止まらない。吐瀉物を吐き切ったと思ったら今度は真っ赤な血が出てきた。これ以上店の床を汚せないのに制御出来ない。
「…こんな状態になっても、俺を殺したいか?今國。俺に、殺されたいのか?」
すぐに答えることなど出来るわけがない、何もかも全部こいつのせいなのに…俺は悔しくて涙が出た。あぁ…もうすぐ俺は死ぬんだ。いつかは一線を超えてしまうんじゃないかと思ったけれど本当に…。だったら、こいつも…「道連れ」に。俺は高木に抱きついた。それに高木は抱きしめ返してくる。
『高木』
「何だ」
『このゲーム…終わりにしよっか』
俺は隠し持っていた包丁で高木の背中を刺した。
(キング視点)
あぁ、何もかも終わったな。このゲームも。あの日からずっと続けてきたこの関係を、今こいつが終わらせたんだ。俺はこいつを殺し、生きて罪を償う。こいつは俺に殺され、俺に一生の罪を背負わせる。最初はそんな利害の一致で始めた関係だった。ただ、それがいつの日からか俺達はお互いの為に殺し合うようになっていた。殺意や憎しみで戦っていたつもりが、それらが執着や依存に変わっていった。俺はこいつがいないと罪を償い続けることが出来ないし、こいつも俺がいないと独りで生きていけない。
「…今國」
『…ん?』
「今も、俺に殺されたい?」
『うん…ずっと、お前になら殺されたい…でも、殺されっぱなしも…嫌だ』
「ワガママだな」
『うるさい』
小さく震えている今國の肩を優しく抱え、頭を撫でる。こいつはずっと怖かったんだろう、人を殺めてしまうことも、人に殺められることも。ただ、本気で憎み、殺し殺されたいと思う相手が俺だっただけに、俺の親友達を仲間と共に殺した。それは変えられない過去であり、償わなければならない罪だった。俺もこいつも互いが互いを憎んでいた。
「今國…お前の、笑った顔が見たい…笑ってくれよ」
『っ…』
血に染った口元を歪ませて笑う今國の姿に愛おしさを感じ、俺は自分の袖口で口元の血を拭うと今國にキスをした。舌を絡ませれば酒の匂いと血の味が口の中でいっぱいになる、それすらも何故か甘く感じた。咳き込む今國からの血反吐と刺された背中から流れる血で俺は前も後ろも血塗れだった。俺達は立っていられずにその場に崩れ落ち、倒れ込んだ。床には血溜まりが出来ていた。あいつらに会えるだろうか、そして、瀬戸紫苑に謝りに行かなきゃな。もう1つの俺の償いだ。
『高木……今度は…あっちの世界で……殺し合おうね……』
「あぁ……そう…だな……」
俺達はそのまま向かい合って永遠の眠りについた、抱きしめ合った俺達の手は離れずにしっかりと繋がれていた。
心中END
コメント
4件

共依存…かな? 好きだ…💞あの世で大事な人と会えると良いね2人とも。

依存が続くの、ぐろいけど好きだなぁ ふたりが行くのは地獄かな🥲