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帽子の人の怒った声が、後ろで小さく聞こえた。何が何だか判らないまま腕を引っ張られて、気付けばとある部屋に居た。
「あの、」
「君、名前は?」
「え、突然名前ですか?·····玲沙です。」
「·····それだけ?」
「名だけか、と云う事でしたら私には姓なんてものは在りません」
「·····」
あれ?黙られてしまった。大体の人は、此の話をすると、辛かったねとか、大丈夫?とか、思い出させて御免とか、同情の言葉を悲しそうに云ってくるのに。
「あの、」
「ねえ玲沙、私の嫌がらせに付き合ってくれないかな?」
「·····よく、人の話を遮るなって云われません?」
今此の間だけで二回。
「うーん、どうだろう?そんな事より、どう?私の事を好きにならないかい?」
·····は?