久しぶりにちゃんとした小説を書いた気がします 。 どうも 。 5,000文字を超えた物が書けてご満悦な人です 。
最推しには笑顔もいいですが 、 嗜好を変えて絶望を味わってもらうのもまた一興ですね 。
※ 💀 ( →→ ) 🍤 →→ ←← 🧣 の三角関係となります 。
ただ仄暗い感じのだけの小説なので 、 🧣🍤要素も少なければ 💀🍤要素もほぼないです 。
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p「 しにがみが一番とか 、 明日雪降るわ 雪 。 」
s「 え 、 言いよう酷すぎません??? 」
春の始まりを感じさせる某日 、 実写の撮影の為 、 僕はぺいんとさんの家を訪ねていた 。
お前は遅刻すると思ってた 、 なんて言われれば反抗するように口を尖らせるが 、 そうやってイジられるのは満更でもなくて 。
正直 、 ぺいんとさんの声とか 、 仕草とか 、 あまり表には出さないけど優しいところとか 。 僕はそんなぺいんとさんの全部が同仕様もなく好きだからどんなにイジられようとも嬉しさしか感じない 。
まあつまり 、 片想いしてるってことなんですけど 。そんな気持ちを自覚しつつも 露も見せず 、 今まで隠してきたことを褒めてもらいたいくらい 。
あーだこーだ言いながら 、 いつものテンションで部屋に通されると 、 違和感が鼻を掠める 。
なんだろう 、 と思い部屋に充満する匂いを嗅げば 、 明らかに煙草の匂いがして 、 僕は首を傾げぺいんとさんに尋ねてしまった 。
s 「 あれ 、 誰か 先客いました ? 」
p「 え 、 なんで ? 」
s「 いやあ 、 煙草の臭いしたんで 。 ぺいんとさん喫煙者じゃないですもんね? だから 誰か喫煙者 招いたんじゃないかなーって 。 」
p「 ⋯ 誰も来てないけど 。 何 、 しにがみくん 怖いこと言うのやめて ? 」
口調だって柔らかい 、 いつものぺいんとさんだ 。 けれど 、 いつもは笑っているのに 、 今は笑っていない 。
否 、 笑ってはいる 、 笑ってはいるんだ 。 ただ 、 偽りにしか見えないんだ その笑顔は 。
色んな言葉が 、 感情が喉元へ走る 。 胃酸みたいな 、 異常な熱を持った言葉達は口先へ走って 。
s「 ⋯⋯ そう 、 ですか 。 」
言いたいことはもう口先にあるのに 、 何も 、 言えなかった 。 何かあったんですか 、 とか 言いたくないことがあるんですか 、 とか 。
言いたいことも 聞きたいことも聞けない 。 だから僕は 、 この人の隣に立てない 。
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数日後 、 今度は僕一人でぺいんとさんの家にお邪魔することになった 。
なんでも 、 今度は七味兄弟で実写が撮りたいとのことで 。 まあ 、 それは建前で 本音は 掃除の手伝いとかをさせたいんだろうけど 。
最早そう考えるのが彼らしいし 、 そう考えない彼のほうがおかしい 。
そんなことを思いながら 、 ぺいんとさんの家のチャイムを鳴らす 。
数秒 、 数分が経過すれば 、 力強く玄関が開かれ 、 風で前髪が少し躍る 。 中からは大慌てです!と言わんばかりの様子のぺいんとさんが顔を覗かせていて 、 驚いた顔のまま口を開いた 。
p「 しにがみ !? 今日 来るって言ってたっけ !? 」
s「 い 、 言いましたけど ⋯ ?? 」
p「 やっべ フツーに忘れてたわ !! ごめん マジで ちょっと待っててくんね !? 」
玄関を開けたまま 、 廊下を駆けていく彼 。
困惑したまま 、 一応家に上がらせてもらえば 、靴を脱いで 廊下で 彼を待つ 。
すると 、 リビングから段々こちらへ近づくように 足元と 、 話し声が聞こえる 。
一人は勿論ぺいんとさんで 、 もう一人も よく聞き馴染みのある声であって 。
r「 はあ? 今日誰も来ないんじゃなかったの? 」
p「 しょーがないじゃん忘れてたんだって!! また埋め合わせするから 、 ね? 」
首に手を当て呆れた様子で 出てきたのは らっだぁさんだった 。
懇願するような言葉に 、 同情でもしたのか 、 将又 何か思うところがあったのか 。 廊下に驚いた様子で立ち尽くす僕を一瞥すれば 、 深い溜息を吐いた 。
r「 はあぁあ ー⋯⋯ わかった 、 代わりに明日の夜ね? 埋め合わせは 」
p「 ⋯⋯ わかったよ ⋯ 」
そんな会話を玄関まで続ければ 、 らっだぁさんは玄関のドアノブに手をかける 。
r「 じゃ 、 またね 」
そう言えば 、 こちらを一瞥して家を後にした 。
扉の閉まる音と同時に 、 ぺいんとさんの深い溜息が聞こえてくる 。
p「 ⋯⋯ ごめんな 、 待たせて 」
s「 いえ 、 全然 ⋯ なんなら 人来と言ってくれれば 帰りましたよ? 僕 」
p「 流石に 約束忘れてた挙句 帰らせるほど 冷酷じゃないわ 」
からきしに笑いながら 、 玄関の鍵を閉めに行くぺいんとさんを 、 特に何の意味もなく眺める 。
鍵を掴み 、 回した時 、 ぺいんとさんの手首が顕になり 、 違和感が浮き彫りになる 。
いつものパーカーを身に着けた彼の手首には 、 そのパーカーと対になるような 真っ青な青痣 があって 。
s「 ⋯⋯ あれ 、 手首に 痣ありません? 」
p「 ⋯ え 、 何言ってんの? 」
それを指摘すれば 、 一瞬空気が凍るのを感じるが 、 直ぐ様 腕の裾を引っ張り 、 その痕を隠す 。
隠すということは何かやましいことでもあるのか 、 そう思って 問いかけようと口を開いた瞬間に 、 タイミング悪く 、 リビングの方から電話が鳴る音がして 。
p「 あ 、 ごめん電話きたわ 。 出てくる 」
s「 ⋯⋯⋯ はい 」
少し焦ったように 、 早めに走り去る彼の背中を見つめる 。
そうして 、 僕は 一つの決意を固めた 。
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電話が鳴る音がする 。 勿論 、 リビングの方からでもなく 、 なんなら ぺいんとさんのスマホからの音ですらない 。
今現在 、 僕はぺいんとさんの家からの帰り道で 、 とある人に電話をかけているところであって 、 電話の鳴る音とは自らのスマホが鳴らず音である 。
数コールがすぎ 、 もう一度かけ直そうかと考えていると 、 ぶつ 、 と音がして電話越しで少し曇った声が届く 。
r『 ⋯ もしもし? しにがみくんさっきぶり 。 てか珍しいね 電話なんて 。 』
s「 いえ ⋯ ちょっと聞いときたいことがありまして 、 今大丈夫ですか ? 」
r『 大丈夫だけど 、 何?急にかしこまっちゃって 』
いつもと同じで 、 配信中とも全く変わらないような 、 気持ちの読めない声 。 それが今はただただ不気味で 。
ごくん 、 と唾を飲み込み 、 覚悟を決めた上で 、 口を開く 。
s「 単刀直入に聞きます 、 ぺいんとさんに手をあげてません? 」
r『 ⋯⋯ なんで? 』
普通 、 こんな事聞いたら驚いたり 、 怒ったり 様々な感情を見せるはずなのに 、 この人は何と思っていないように 、 言い切ってしまうのが 心底 恐ろしい 。
震えてしまいそうな声を必死に抑えて 、 僕は彼に嘘を吐いた 。
s「 ぺいんとさんの腕に 、 痣があったんです 。 しかも何箇所も 。 他にも 、 首はハイネックで隠してますけど 、 絞めた痕もある 。 」
一箇所だけしか見ていない 。 それに 、 ハイネックの話も捏造 。 この捏造が嘘だとバレれば 、 らっだぁさんから話を言わせることもできない 。 けれども 、 捏造を加えないと 僕の今のままの証拠じゃ不十分すぎるんだ 。
軽く息を吐いて 、 否定の言葉が飛んでこないことを 祈る 。 ここで否定の言葉さえ飛んでこなければ 、 僕は 決定的な証拠を突きつけられるのだから 。
r『 それだけじゃ俺って確証はないはずだけど 。 他に何か見たの? 』
冷淡で 、 声のトーンも変えず言ってのける らっだぁさんに 、 場は整ったと 、 今度は言い逃れもできぬような決定的な証拠をぶつけた 。
s「 ⋯ 煙草です 。 らっだぁさんって最近 煙草吸い始めたんですよね ? 前あった時に言ってて 、 その時に吸ってた銘柄の特徴的な匂いと 、 ぺいんとさんの体に傷が増えた日に室内で蔓延してる匂いが一致してたんですよ 。 」
r『 ⋯ しにがみくん 探偵なれるんじゃない? 』
s「 僕 真面目なんで 、 ちゃんと応えてくれませんか 。 」
巫山戯た言葉で応えられれば 、 苛々が隠せず 、 感情を露わにしてそう突きつけてしまった 。
けれども 、 その冷たい言葉が効いたのが 、 将又 特に隠していたことでもなかったのか ⋯ 今となっても分からない 。 らっだぁさんは 至極当然のようで 、 今覚えばどこか哀しみが滲んだ声で 返事をした 。
r『 その通り 。 俺は ぺいんとに 手あげてるよ 」
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こう頻繁に家に出向く 、 というのも失礼なことだ 。 だが 、 今日はそれを承知の上での訪問であり 、 家に行っていいかと電話をしたときも 、
物凄く 申し訳なさそうで 、 低姿勢だったと思う 。
今は 、 そんな急な訪問を笑って許してくれ 、 真剣なお話があるといえば お茶とお菓子まで用意してくれた ぺいんとさんに感謝しながら 向かい合いになっている席に座っているところだ 。
お互いにお茶とお菓子を楽しくつまんで 、落ち着いたところで 、 漸く僕は重い口を開いた 。
s「 その 、 真剣なお話があるって言ったんですけど 、 」
p「 あ そういえばそうだったやん 。 」
忘れてたわ 。 と 、 付け足して笑う彼 。 きっと ほんとに忘れてたわけじゃなくて 、 ただ場を和ませたくて言っただけだろうけど 。⋯⋯ そうだよね?
ごほん 、 と軽く咳払いをして見せれば 、 目を見つめながら真剣に 、 言葉を選びながら声を発した 。
s「 ⋯⋯ ぺいんとさんって 、 らっだぁさんとお付き合いしてるんですよね? 」
p「 え 、 なんで知ってんの ?! 」
s「 いや 、 まあ ⋯ 勘 、 といいますか ⋯ って 、 そんな事はいいんですよ そんな事は 。 僕が聞きたいのはそれじゃないので 」
p「 じゃあ 何が聞きたいんだよ? 」
怪訝そうな顔を浮かべる彼 。 今からそんな顔をしている彼に 、 変なことを問わなければならないと言う 、 ちょっとした申し訳なさを浮かべつつ 、 僕は ゆっくりと口を開いた 。
s「 ⋯⋯ 手 、 上げられてますよね 」
p「 ⋯⋯ ああ 、 そのこと? 」
言い切りの形で 、 力強く言い切ったから少しは動揺すると思っていたが 、 ぺいんとさんはそれがなんだ 、 と言わんばかりの冷静な様子を見せる 。
それを見て 、 逆に僕が動揺してしまった 。
s「 え 、 あの 、 なんでそんな冷静なんですか ⋯ ? 」
p「 いやだって 、 何回目かわかんないもんそれ聞かれんの 。 しにがみくんにまで聞かれるとは思ってなかったけどね? 」
s「 ⋯ 何回もって ⋯ だ 、 誰かに相談とか 、 助けてとか言わなかったんですか!? 」
p「 え?どこに言う必要があんの? 」
本当に驚いたように目を丸くする ぺいんとさん 。
驚きを消化していたのか少し黙れば 、 再度口を開く 。
p「 痛いのはそりゃ嫌だよ? でも 、 らっだぁって手上げたあと むっちゃ優しくしてくれんのね?? もうそれがたまんなくてさ。 痛いのよりもそっちが勝ってるから 。 てか 、 最近は俺から頼んで手上げてもらってるから 」
言い終えれば 、 言葉も出ない僕を尻目に 、 いつものように ⋯ いつしか僕が恋をした笑顔を浮かべて 。
⋯⋯ こんな 、 こんな笑顔見せられたら 、 僕 、 僕は ⋯ 諦めるしかないじゃないか 。
p「 しにがみくん ? 」
s「 あ ⋯⋯ ご 、 ごめんなさい 、 ちょっと ⋯ 吃驚して 」
p「 え?何に? 別に驚く要素なかったと思うけど? 」
s「 ⋯ いえ 、 すいません 、 僕がおかしいですね 。 それじゃあ ⋯ 僕は帰ります 。 」
p「 もう帰んの? もうちょっと遊んでこうよ。 らっだぁくるまで時間あるし 」
席を立ち玄関に向かう僕に追従するように 、 ぺいんとさんは後をついてきては寂しそうに背中に言葉を投げかける 。
投げられた声をキャッチするのか 、 打ち返すのか 、 どちらが正しいのかが分からなくて 。
玄関先で靴を履いて 、 ドアノブを捻って扉を開けた時 、 僕は漸く振り向いて 、 声を出せた 。
s「 ⋯⋯ ごめんなさい 。 それじゃあ 、 また 、 次の撮影で 」
そんな 、 空振りの応えにぺいんとさんは何か言いたそうな顔をしていたが 、 なるべくその顔を見ないように外に出ては後ろ手で扉を閉める 。
顔が見えなくなった瞬間 、 身体が悲鳴を上げ 、
嗚咽をし始める 。 失恋のダメージでも 、 奇妙な関係を見た恐怖からでもない 。
ただ 、 一番近くにいたぺいんとさんが 、 他の’何か’になってしまった 、 それがあまりにも気持ち悪くて 。
走り出す胃酸を漏らさぬよう必死に唇を噛めば 、 ゆっくりと 、 ふらふら歩きながら家へと帰った 。
〆
因みに最推しはsnさんです 。
次は 流石に 🧣🍤 らしい 🧣🍤を 書きますので お待ちを 。
コメント
2件
今回も最高でした🥹💗✨ rdはpnに手を上げたくないけど、pnが求めてしまってるんだから仕方ないように思っている感じが本当に好きです…🫠🫶💕