テラーノベル
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✽SINK✽
・・・ ーーー ・・・ ・・・ ーーー ・・・ ・・・ ーーー ・・・
ティロン、と軽快な音を立ててスマホが鳴る。
ぼんやりと手を伸ばすと、否応なく目に映る沢山の通知。
確認せずに、電源ボタンを押す。
あの知らせを聞いてから、俺は何も出来なくなった。
メッセージも確認しない。
配信も、暫くしないと告知して、そのまま。
ただ無意味に、機械的に毎日を過ごしている。
あれもこれも全部、これ以上の情報を知りたくないからだ。
俺は信じとらんけど、もし、本当に甲斐田が、居なくなっとったら、俺はどうすればいい?
そんな可能性から目を背けたくて、俺は、ずっと逃げ続けている。
また、ティロン、と音が鳴る。
画面を叩くと、【加賀美ハヤト が配信を開始しました】の文字。
社長、何で配信できるんや。
あんた、あの知らせを聞いた時、すごく傷付いた顔をしてたのに。視聴者に心配させまい、と無理しとるんか?
__それに比べて、俺は何をやっとんのや。
姫達が心配しとるやろ。
すぐに配信を、せめてポストを、そう思うのに指が動かない。
少し経ち、また、音が繰り返される。
スマホを開くと、【剣持刀也 が配信を開始しました】とある。
もちさんも、リスナーが心配しないように、配信しとるんやろか。
なら、俺だけや。
あの件以降、配信できていないのは。
だが、頭に残る、少しの違和感。
彼はこんな時に配信をできるような性格だっただろうか?
どこか、見落としてはいないか?
思い出されるのは、あの知らせを聞いた時の、彼の顔。
(……笑っとった、よな……)
普段の彼なら、絶対にしない行動だ。
いくら大人びているとはいえ、彼も16歳。
メンバーの死の知らせなぞ聞いたら、ショックを受けずにはいられないはずだ。
じゃあ、何故彼は笑っていた?
おかしい。
何か、何かおかしい。
携帯を伏せ、ベッドに沈み込む。
柄にもなく考え込むが、どれだけやっても混乱するばかりで、答えは見付かりそうにない。
…何かおかしいことはわかっとるのに、ソレの正体が何かはわからへん。
無意識にスマホに触れ、連絡先を開くも、よぎるDの声。
そうやった。
ROF-MAO以外の、誰にも話しちゃいけないんや。
社長にかけるか?
いや、彼もショックを受けていた、頼ってはいけない。
もちさんに?
論外だ。
甲斐田…何言っとるんや俺は。
だれか、だれか…。
俺らのことを、たすけてくれ。
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次回予告
第三話:FLASHBACK
next→作者のやる気
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Yuka☆
87
#サカモトデイズ
水羽
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コメント
1件
うわあ……重い……でもすごく引き込まれた。 「何かおかしいことはわかっとるのに、ソレの正体が何かはわからへん」——この感覚、すごくわかる。自分でも処理しきれてない違和感がじわじわ迫ってくる描き方、上手すぎる。 剣持さんの笑顔の違和感が一番ゾッとした。あのシーンだけで、この物語の空気が変わった気がする。 甲斐田くんの「だれか、たすけてくれ」が刺さる……蒼さんの心理描写、本当に繊細で好きです🌙