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凛は、あの夢の続きを見た。ベッドの中、冷たい闇に包まれるような静寂の中……
再び、あの”白衣の男”が現れる。
けれど、今回は違った。
彼の背後に、もう一人の女性が立っていたのだ。
彼女は、凛と同じ顔をしていた。
いや……前世の自分、美咲だった。
美咲は、凛をまっすぐ見つめる。
「ごめんね、凛。私が残した“痛み”が、まだあなたを苦しめている」
凛は言葉を失う。
けれど、美咲は穏やかに続けた。
「でもね。あなたは、私じゃない。あなたには“生きる未来”がある。もう、愛に殺されなくていいの。今度は、幸せになるために愛して」
凛の目から、涙が溢れる。
「私……怖いの……。また、壊してしまうんじゃないかって。敬太くんを、苦しめてしまうんじゃないかって……」
美咲は優しく微笑む。
「大丈夫。今のあなたには、“選ぶ力”がある。愛は狂うためじゃなく、守るためにある。その鍵は、もう渡したでしょう?」
凛の手元に、あの“ペンダントの鍵”が浮かび上がる。
「信じて。敬太くんと、今度こそ……愛し合って……。」
そして、美咲の姿は淡く消えていった。