テラーノベル
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あのあと――
誰も、何も言わなかった。
陽翔が机を殴っただけで、田村たちは笑いながら引いた。
「マジでヤバいやつじゃん」って小声で言いながら、俺のスケッチブックを机に投げ返してきた。
陽翔は俺に何も言わず、黙ってその場を去った。
俺も、追いかけなかった。いや――追いかけられなかった。
胸が、ずっと苦しかった。
俺のために怒ってくれた。
でも、陽翔が誰かを殴ってたら、あいつはまたどこかへ行ってしまったかもしれない。
怖かったのは――
陽翔がいなくなることだった。
コメント
1件
仲良くなってきた...のか?