テラーノベル
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ここは、山と田んぼに囲まれた、時間がゆっくり流れるようなド田舎。夏の日差しがアスファルトを熱し、遠くからセミの声が降り注いでいます。りのは、公民館の軒先にある日陰のベンチで、だらだらとスマホをいじっていました。隣には、相棒のスピンロトムが、扇風機にくっついたまま、プロペラをビュンビュンと回しています。
「あーあ、暇だー。こんな暑い日は、何もする気が起きんわ。」りのがスマホから目を離さずに、だるそうに言いました。
ロトムは、りのの言葉を聞くと、プロペラの回転をさらに速め、りのの髪に生ぬるい風をバサバサと当てました。「ロトッ!ロト!」(遊ぼう!遊ぼう!)という、せっかちな主張が込められた鳴き声です。
「うわ、やめろって!」りのが顔をしかめます。
ロトムはそれでも風を当て続け、「ロトォー!」と少し不満げに鳴きます。まるで、「めんどくさがりはダメ!僕が誘ってあげてるんだから!」と言っているようです。
「うるさいなー、せっかちなロトムは黙っててよ。うちが今、最高にいい感じのゲームのガチャ引こうとしてるとこなんだから。」
ロトムは、「ロトォ!!」と、抗議の声を上げました。そして、プロペラを強く回したまま、りのの頭の周りをぐるぐると飛び回り始めました。
「ちょっ!風で髪ぐちゃぐちゃになるじゃん!」りのが立ち上がり、ロトムを追い払おうと手を振ります。
ロトムは「ロトッ!」と威勢よく鳴き、そのまま電柱の方へビュンッ!と逃げていきました。
「くっそー!ロトムめ!いつもうちをからかって!」りのが息を切らして立ち止まりました。
ロトムは、少し離れた軒下に舞い戻ると、プロペラの回転を止め、満足そうに「ロト〜♪」と得意げな声を上げました。
りのはため息をつき、汗を拭います。
「…まぁ、うるさかったけど、少しはスッキリしたわ。ありがと、ロトム。」
ロトムは急なりのの言葉に、「ロトッ!」と、嬉しさと照れが混じったような、控えめながらも明るい鳴き声で返事をしました。
「ほら、うち、喉乾いた。お駄賃に、畑のおばちゃんから買った冷たいサイダー奢ってあげる。」
「ロトォォ!!」ロトムはサイダーの言葉を聞くと、目を輝かせて大喜び!プロペラを再び力強く回転させ、りのより一足先に、元気に商店の方へとピューン!と飛んでいくのでした。
ロトムとりのたんは昔からの付き合いなんですが、ちょっとした事ですぐ喧嘩になるそうです。
次回は新キャラ登場します。お楽しみに!
次回⬇
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コメント
3件
コメント遅れた!! いいねこのほのぼのした感じ…🥺
平和で尊い(^-^ )
ロトムかわわわわ