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︎︎⚠︎︎注意⚠︎︎
・ご本人様方には一切関係がない
・捏造、妄想要素が激しい可能性あり
・特徴を捉えきれていない部分が多々あり
・恋愛要素が今後恐らくきっとほぼない
・868のBOSSたちがロスサントスに入国する以前の物語
・投稿頻度がノロマかつ不定期
・先日の青井らだお起床により浸水中
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☆今回は、牢王蓮の過去編です!全くもっての捏造なのでお手柔らかにお願いします。
いってらっしゃいませ。
■ Episode L
俺が中学生ぐらいの頃、両親は事故に遭った。幸い命に別状はなかったものの、しばらく病院で療養する必要があり、独りの時間を余儀なくされる。あなたはなんでも出来るから心配ない、とよく言われていたがそれは褒めてくれる両親がいてこそのことだった。たった少しの辛抱かもしれない、でも当時の俺にとっては、充分トラウマになるほどの長い孤独を経験した。
嫌でも独りの生活に慣れてしまった時、叔父さんが様子を見に訪ねて来てくれた。どこかの街で警察署長をやっている彼は、兄である父さんの事故を聞き付け、わざわざ遠くから飛んできたらしい。俺とは過去に会ったことがあるようだが、物心つく前だったためあまり覚えていない。最初こそ警戒していたが、彼の軽い調子と俺らとの思い出話にまんまと絆されていくのを感じた。久々に人の温かさに触れたから、というのもあったかもしれない。そして、しばらく談笑をした後、叔父さんは急に咳払いをして真剣な面持ちをする。
「蓮くんさ、兄貴いや、お父さんは事故って聞いてるんだよね。」
「うん。」
「事故じゃなくて、誰かに殺されかけたって言ったら信じてくれる?」
「え、俺の…父さんが?」
「うん、ここからは推測になるけどちゃんと辻褄は合うんだよ。この人、見たことあるよね。」
「(写真を見せられる)この人…。」
「そう、多分お父さんと仲良かったと思うんだけど、こいつは悪い組織の人間。」
「悪い組織…。」
「警察官として言うと、ギャングのボスってことだね。」
「そうなんっすね。」
「でね……次は、君が狙われると思うんだ。」
自分がよっぽどの世間知らずだったのか、はたまた父さんたちが綺麗な籠に閉じ込めていたのかは分からない。それほど叔父さんの話は全て現実的ではなくて、漫画やゲームで知り得るようなものばかりだった。一通り話を聞いた俺は、丁寧に情報を整理する。今思えば、あんな小さい脳みそでよく考えられたと思う。
「俺は、蓮くんを守るよう兄貴から言われているし、犯罪者であるこいつも捕まえたい。」
「……。」
「でもこの街じゃ俺の管轄下で裁けないから、着いてきてくれないかな。」
「……あの、俺行きます。父さんを殺そうとしたの本当に許せないっす。」
(懲りずに俺も消そうとするなんて。無性に腹が立つ、なんだこれ。)
「そう、だよね…。俺も許せないよ。明日には発ちたいから、今日は荷造りをしようか。」
あれから叔父さんと暮らすようになって、数年が経った。いつ襲われても大丈夫なように、護身の訓練を受けていたのだが、素質がある、と結局警察官とほぼ同レベルの技術を叩き込まれた。運転はまだ年齢的に無理らしいが、銃や刑法などの座学、基礎的な知識は無事に習得し終えてしまい、学生らしい青い春は夢のまた夢となった。命を狙われているとはいえ、警察署長と常に行動かつ別の街に移住となると、あちらがかなり手こずっているのが分かる。まぁ、叔父さんも食えない人だから尚更安易に近づけないんだろうな、と察していた。しかし、油断をしていなくてもその時というのは突然にやってくる。
「あの、俺なんで誘拐されてるんっすか。」
「は?人質は喋るんじゃねぇ大人しくしてろ。」
「はぁ…。」
「あんま舐めてるとこの場で殺すからな。」
「わぁー怖いよ、誰か助けてぇぇ…!(迫真)」
「そうそう、人質らしく怖がってな。」
おそらく自分はこいつのボスに会わされること、痛めつけられることを悟る。
(ここから逃げるのは一旦無理か、手錠を外す道具は持ってるけど今じゃない。)
ここまで冷静でいられるのは、叔父さんに鍛えられたからだろうなと静かに感謝した。そして、当の本人はきっと大型犯罪の対応をしている。大型犯罪と被せなければいけないほど、俺を誘拐する隙がなかったということだ。そうこうしているうちに到着したらしく、誘拐犯の腕から地面に放り出された。薄暗い廃墟の真ん中で、いかにも悪そうな大人たちが大人気なく俺を囲う。
「久しぶりだな、覚えてるか。」
「……。」
「だんまりか…まぁいい。」
「色々言いたいことはあるが、何も知らない坊やは黙って痛めつけられてくれ。あいつらの身内として生まれたのが、人生最大の不運だったな。」
その言葉を聞いた瞬間、俺の中で何かが切れた。突きつけられた銃口と目を合わせ、不気味にそして高らかに笑って見せる。あの人たちを貶した奴は、気味悪がって眉間を寄せている。その動揺した隙をついて拳銃を奪い、人質にとった。構成員たちからの狙撃と打撃を人質を盾にして躊躇わせ、ひとつひとつ的確に的を撃っていく。射撃訓練であれば、さぞ高得点が取れたであろう。あらかた片付いたところで、人質にしていた奴を放り出し、先程と逆の立場になる。遠くからパトカーのサイレンの音がした。助けが来る前に下手なことをされても困るので、躊躇いなく手足を撃つ。一発で仕留めようとしたが、しっかり罪を償わせたかったのと言っておきたいことがあった。
「こんな坊やに殺られる方がよっぽど不運、てかだいぶダセェな。」
あのギャングたちは、戦闘面においてそこまで強くない。叔父さんくらいの強さであればすぐ捩じ伏せられたのだが、何せ守るものが多すぎた。そこに漬け込まれて下手に出れず、証拠だけを集めていたところに俺の存在があったらしい。最初は守る対象として置いていたが、思っていたより俺は強くなってしまった。たった1人で戦わせる気はなかったのだろうが、結局駆けつけた頃には全てのことが終わっていた。
「並の強さじゃないとは思ったが…。」
「……。」
「蓮、お前は警察じゃないから普通に犯罪扱いになるんだよ。」
「……。」
「いや、手遅れになるところだったし正当防衛にはしたいけど、銃の違法所持・無許可発砲と殺人未遂の切符、その刑務は免れないんだよな…。」
「分かってるよ、ほらプリズン送れよ。」
「…うーん、蓮は俺がなんでこの街に連れてきたかを覚えてるか。」
「…?」
「あっちの街は管轄が違う、ただしここでは割と何でも許される、というか許す。つまり、俺はいくらでも目を瞑れるってわけだ。ダハッ(笑)」
「はぁ…。」
「てか本当によく頑張ったな。まさか1人で制圧しちゃうなんて驚いたわ。」
そう言ってわしゃわしゃ頭を撫でてくる。いつまでもこの軽い調子に振り回され、もう散々だとため息をつく。しかし、この人を嫌に思うことはないし、大きくて温かい手を退けようとも思わない。自分と同じ赤髪の叔父さんが、沢山褒めてくれるのをはにかんで受け止めた。
その後、両親がほぼ完治したという連絡が届き、安堵からか全身の力が抜けた。今までの苦労だとかどうでも良くなるくらい、途端に家が恋しくなる。叔父さんは俺が即時に帰れるよう手配をし、なんとも温かく送り出してくれた。思わぬ人生の起点と寄り道を味わい、これからどうするかなんて未来を想像する。飛行機の窓から見える青い空は、どこまでも続いていた。
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