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前回の続きです
第9話
譲らない理由(切島視点)
正直、怖ぇ。
相手は爆豪だ。
昔から強くて、
一歩も引かねぇ男。
でも。
(いずくの前で、逃げる方がダサい)
俺は、腹を括った。
「勝己」
「俺はさ」
「いずくに選ばれたい」
「でも、それ以上に」
「いずくが“自分で選べる”状況を守りたい」
爆豪が、
「……チッ…綺麗事だ」
「かもな」
「でも」
「強さって、そういうとこだろ」
一歩、前。
「無理やり掴むのは、強さじゃねぇ」
爆豪の拳が、震える。
上鳴が、続けた。
「俺たちはさ」
「負けたくないよ?」
「でも、それ以上に」
「いずくを壊したくない」
その言葉で、
爆豪の動きが止まった。
(……効いてる)
そこへ。
「……何をしている」
低い声。
轟だ。
四人、揃った。
轟は、俺たちを見てから、
いずくがいないことを確認する。
「ここで争う意味はない」
俺は頷いた。
「だからこそ、言う」
轟を真っ直ぐ見た。
「兄だろうが」
「幼なじみだろうが」
「いずくの“選ぶ権利”を奪うなら」
「俺は、全力で止める」
上鳴も並ぶ。
「敵に回っても?」
轟が、
「構わない」
その瞬間。
轟は、ほんの一瞬だけ笑った。
「……なら、いい」
目が、同じだった。
譲らない者の目。
その頃。
何も知らないいずくは、
一人で校舎裏に座っていた。
「……どうしよう」
誰の声が一番、
安心するのか。
自分でも、
分からなくなっていた。
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