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「さぁ!食べて食べて!海音ちゃんが手伝ってくれたおかげで早く作れたわ!」小春「うわぁ!今夜はご馳走だ!」
海音「気を使わせてしまいすみません」
「もう〜気なんて使ってないわよ〜海音ちゃんが来てくれて嬉しいの!うふふ!じゃあ食べましょう」
「「いただきます!」」
今夜の小春のご飯はシチューだった。
小春「うん。美味しい!」
海音「私が切ったせいで具材が食べにくいかもしれませんが……」
「そう?充分食べやすいわよ?」
小春「あぁ!ゴロッとしててほくほくですごく良いぞ!」
海音「あ、ありがとう////」
「海音ちゃんは良いお嫁さんになれるわね!うふふ」
海音「な、何言ってるんですか?!////////」
小春「お、お嫁、さん////」
海音と小春は二人して顔が真っ赤になった。
「小春もそうだけど、海音ちゃんも分かりやすいわね」
小春の母親は笑いながら二人の反応をみていた。
「まぁ!もうこんな時間?!お喋りが楽しすぎて深夜になっちゃったわ!」
海音「では、私はそろそろ帰りますね」
「ダメよ!こんな夜遅くに子供が出るなんて……今日は家に泊まっていったら?」
小春「もし家庭の都合でダメなら、無理する必要はないぞ?母さんとおれが家まで連れてくし」
「あらお家厳しいの?」
海音「……そ、その……」
小春「…………」
小春は海音のお家の事情を
それなりに知っている
高校生とはいえ男子の家に泊まることを
海音の保護者が許すだろうか……
海音「……少し電話させて貰っても良いですか?」
「えぇ!もちろん」
小春「おれが代わりに電話しようか?」
海音「大丈夫。行ってくるね」
海音は電話しに一時退出した。
「…………」
小春「(大丈夫かな……)」
数分後、海音は帰ってきた。
海音「大丈夫だそうです。」
小春「ほ、本当か?!」
海音「うん。高校生になったんだし、責任を取る良い勉強になるだろうって」
小春「……あぁ……なるほど」
「…………」
海音「?、どうしましたか?」
「……ん?そうねぇ……じゃあ聴くわね。」
「「海音ちゃんのご両親はどんな方なの?」」
海音「…………そう、ですね……」
小春「海音……」
「あっ!無理することないのよ!言いたくないのなら言わなくても良いわ!」
海音「いえ……その……何と言いますか……ボタンをかけ間違えたままというか……母とは一緒に暮らしてないんです。親戚の家に今はお邪魔していて、父は一緒に暮らしてると言えば暮らしてるんですけど、ほぼ他人みたいな感じなんです。そんな私を保護してくれてるのが私の腹違いの兄である瑠璃人兄さんなんです。だから迷惑をかける訳にはいかないので、ご連絡させて頂きました。……こんな感じでしょうか?」
「……海音ちゃん」
海音「!、す、すみません!こんな複雑な家の娘だから嫌かもしれないんですけど……でも私は……」
ぎゅっ
海音「え?」
「海音ちゃん……辛い想いをしてきたのね。沢山沢山頑張ってきたのね。偉いわよ。海音ちゃん。あなたは偉いわよ。」
海音「え?あ、その……」
小春「母さん!そんなこと言ったら海音がどういうリアクションしたら良いか分からないじゃないか」
「あっごめんね!困らせるつもりはなかったのよ!」
海音「いえ!とても嬉しかったです。ありがとうございます」
「もうっ!なんて良い子なの!!」
小春の母親は海音の頭をゴシゴシ撫でると、さらに強く抱きしめた。
海音「(……あぁ……)」
こういうの
こういう感覚なんだろうな
お母さんからの愛情って
【続く】
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