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その頃、病室のあちこちに散らばった生徒たちがベッドや椅子に腰掛けて、今日の手芸教室の話題に花を咲かせていた。
「あのさ、涼ちゃんが微笑んだとき、めっちゃ可愛くなかった?」
「うんうん!不思議と目が合っただけでドキッとした!」
「最初は全然喋らない子だって聞いてたけど、こっちから話しかけたら少し話してくれるよね」
「わかる。あの控えめな感じ、なんか守ってあげたくなるんだよね」
「男の子だけど、仕草もすっごい可愛いよね~」
盛り上がるみんなの声に、誰かがふとつぶやく。
「また今度、もっと話しかけてみようよ」
「そうだね。…あ、でも体調が良かったらの話だけど」
ほんのり静かになった部屋に、みんなの優しい気持ちだけが
ふんわりと残っていた。