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晩ごはんを済ませた後、俺は服作りを再開した。
「なあ、シャドウ」
「なんだ? ナオト」
「さっきからお前にじっと見つめられているせいで服作りに集中できないのだが」
俺がそう言うと、シャドウは一言「気にするな」と言った。
いや、気になるから言ったのだが……。
うーん、まあ、いいか。
ハシビロコウか何かだと思えば……いや普通に気になるわ!
じっと見られて気にならないやつなんているのか?
うーん、まあ、いるだろうな。
けど、それは見られていることに気づいてないか、ものすごく集中しているか、他人の視線に興味がないのどれかだろうな。他にもあるかもしれないが。
あっ、アイドルとかは慣れっこなのかな?
いや普通にストレス貯まるだろ。
いつも誰かに見られてるんだから。
「なあ、シャドウ」
「なんだ?」
「お前さ、もしかして服作りに興味あるのか?」
「ない。が、服を作っているお前に興味がある」
え? それはあれか?
物を作っているやつに惚《ほ》れる的な?
「そ、そうか。でも俺なんか見てても面白くもなんともないぞ?」
「いや面白いぞ。お前の手で少しずつ形になっていく服たちは皆《みな》幸せそうだからな」
幸せそう? 服たちが?
そんなバカな。というか、俺がこうして服を作れているのはミノリ(吸血鬼)の指導のおかげだ。
だから、俺が服たちを幸せにしているわけではない。
というか、そんなこと一度も考えたことがない。
「それに……」
「それに?」
「お前は一つ一つ思いを込めて作っている。いずれ服に命が宿りそうなほど大きくてホッとする思いだ」
「お、おう」
シャドウって服に興味ないんじゃなかったっけ?
というか、こんなこと言うキャラじゃないだろ。
まあ、それはいいとして。
「えっと、このままだと今日のノルマが終わりそうにないから少し離れてくれないか? 気が散るから」
「了解した」
なんか妙に素直だな。変なものでも食べたのかな?