テラーノベル
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「パパ……来週の林間学校、楽しみなんだけど夜が怖いの。お化けが出るって、東くんが脅かしてくるんだもん」
ひまりが寝間着の裾をいじりながら、不安そうに訴えてきた。
俺の脳細胞が「非常事態」を検知して沸騰する。
「……幽霊、やと? 和幸、すぐに山の地質調査と、過去百年の心霊目撃情報を洗い出せ。…ひまり!安心せぇ。パパが、幽霊も仏も近寄れん『最強の山』にしたるわ
」
「えっ? パパ、お山に来るの? ダメだよ、先生に怒られちゃう!」
「……ああ、わかっとる。『お天道様』として見守るだけや」
◆◇◆◇
林間学校当日
ひまりたちがキャンプ場に到着する数時間前
現地には既に「黒い影」が潜伏しとった。
俺は和幸に命じ、近隣の由緒ある寺から高僧を呼び寄せ
キャンプ場の四隅に最強の結界を張らせた。
「……和幸、お布施は倍積め。幽霊一匹残さず成仏させるんや」
長治率いる若衆たちが、ギリースーツを着用し、キャンプ場の周囲に配置。
「……ええか、お嬢に気付かれたら即・破門や。森の精霊になりきれ」
キャンプファイヤーの薪を、一本一本丁寧に検品。
夜
ひまりたちがテントで「怖い話」を始めると、和幸が無線で報告を入れてきた。
『兄貴、東のガキが懐中電灯で顔を照らして、今まさに怪談のクライマックスです……!』
「……チッ。和幸、作戦Bや」
東くんが「……そして、後ろを振り向くと、そこには……!」と叫ぼうとした瞬間
テントの外の茂みから、凄まじい威圧感と共に「ゴゴゴゴ……」
という地鳴りのような唸り声(長治のいびき)と
無数の赤い光が放たれた。
東くんは「ひ、ひぃぃぃっ!! 本物が出たぁぁぁ!」と絶叫し、毛布に潜り込みおった。
翌朝
ひまりは少し寝不足のようやったが、どこかスッキリした顔で戻ってきた。
「パパ! お化け、全然出なかったよ! それどころか、夜中に森の中から『お嬢、おやすみなさいッ!』って神様の声が聞こえた気がしたの」
「…そら、山の神も礼儀正しいんやな」
俺は双眼鏡を仕舞い、アロハシャツの襟を正した。
「……和幸、撤収や。…あ、置いていった『魔除けの塩』、ちゃんと回収しとけよ。……環境破壊で訴えられたら、ひまりの教育に悪いからな」
「兄貴……神様の声じゃなくて、長治さんの寝言が筒抜けだった件、どう責任取るんすか……ほんと、親バカなんすから…っ」
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#シリアス
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