テラーノベル
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百鬼学園の朝は、いつも騒がしい。
妖、鬼、人ならざる者たちのざわめきが廊下を満たし、教室にはハチの巣をつついたような騒ぎになっている。
その中心で、安倍晴明はいつも通り教壇に立っていた。
「みんなーー!!今日はなんと…国語の授業をお休みして、みんなで遊ぼうと思います!!」
「よっしゃー!」
そう言った瞬間、炭酸飲料の栓を抜いたときのように、弾ける笑い声が溢れ出した
「ふふ」
その光景を見て笑った自分の声を、晴明は今もはっきり覚えている。
――あの日までは。
胸の奥が、熱を持って膨れ上がった。
違和感に気づいた瞬間には、もう遅かった。
「……えっ、」
突然、退魔の力が、意思を無視して噴き上がる。白い光が教室を満たし、悲鳴が上がった。妖たちの身体が、まるで紙細工のように崩れていく。
「えっ…なんで…止まって、!止まって!!」
叫びは力に届かない。
教え子たちが、同僚たちが、ひとり、またひとりと消えていく。
最後に残ったのは、血と、焦げた匂いと、立ち尽くす晴明だけだった。
――僕が、殺した。
その事実は、何よりも鋭く心を裂いた。
それから先の記憶は、曖昧だ。
学園を彷徨い、崩れ落ち、そして――自らの命を断った。
これで終わるはずだった。
終わらせなければならなかった。
だが。
「……泣き声?」
次に意識を取り戻したとき、晴明の耳に届いたのは、赤子の泣き声だった。
自分のものだ、と気づくまでに時間はかからなかった。
視界はぼやけ、身体は思うように動かない。小さな手、小さな足。周囲には、懐かしすぎる気配が満ちていた。
「……戻って、いる?」
理解した瞬間、背筋が凍りついた。
時間が、巻き戻っている。自分が生まれたばかりの時代へ。
――ならば、次は。
次は、誰も殺さない。
百鬼学園には行かない。教師にもならない。力も、徹底的に封じる。
そう、固く決意したはずだった。
だが、2度目の誕生日の余韻がまだ消えやらぬ、数日後の夜。
影の中から現れた「それ」は、静かに告げた。
『逃げても無駄だよ、晴明』
その声が鼓膜に触れた瞬間、背筋に冷たい水が走った。この声、聞き覚えがある。だけど、どこで?
『百鬼学園の者たちは、必ず死ぬ。これは決められた運命だ』
「……嘘だ」
『嘘ではないよ。晴明が関わらないとしても、結末は変わらない』
得体の知れない人物は、そう言い切った。
膝が震えた。
何もしなければ、皆死ぬ。
関われば、また自分が――。
それでも、晴明は顔を上げた。
「……それでも、行く」
運命がそうだと言うなら、抗う。
誰かを救うために、また地獄へ戻る。
百鬼学園へ。
今度こそ、誰も殺さないために。
たとえ、その代償が―
自分自身であったとしても。
コメント
4件
あっ、好きです(?) 続きって書く予定ありますか?

この小説は国語力0の人がめちゃくちゃ調べまくって書いた小説です。 意味が違うところがあるかもです。ご了承くださいm(_ _)m