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仁人side
あの後、何となくいい感じに
終わった感が出ていたが全くそんなことは無い。
あれから佐野さんからのRAINが鳴り止まないし、
ずっと愛を囁かれ続けている。
契約で結んでしまっているからやめてください
とも言えないし、
一緒に居ただけでお金を渡そうと
してきた時は流石に止めた…
申し訳ないけどちょっと引いたし。
まぁ、この人に好かれて損?は
今のところないだろう。
というか恋愛を損得で考えるのって
なんかちょっと…
別に俺は好きじゃないけどね。
いやしかしむしろこんなイケメンが
俺のこと好きになってくれた事に
感謝すべきなのか?
・・・いやそれはなんか違うな。
早すぎる結論を自問自答で出した所で
仕事には行かなくちゃならない。
重い腰を上げて何とか佐野さん宅へ
向かうことが出来た。
<佐野宅インターホン>
仁人「もしもーし佐野さん。
いらっしゃいますか?」
シ──────ン
・・・返事がない。
居ないのか?
仁人「困ったなぁ..,」
勇斗「仁人!」
家の前で困り果てていると後ろから
佐野さんに呼ばれた。
仁人「佐野さ」
佐野さんの後ろに人影がいる。
知り合いでは無さそうだ。
例のストーカーか?
俺はストーカー候補は元カノとかかと、
思ってたけど元カノさんでは
ないっぽかったから一体誰なんだろうと
推測していたところだった。
(佐野さんは見た目によらず元カノさんとしか
付き合ったことがないらしく
元カノさんの線は無い。
・・・その後に俺を好きになったからだと
自慢げに聞かされたから)
よくよく顔を見れば佐野さんは
走ってきたみたいだ。目線も泳いでいる。
ここは合わせるしかない、か…
仁人「勇斗遅いよ笑
めっちゃ待ってたんだよ?」
勇斗「!
あ、あぁごめんごめん…」
仁人「もー早く入ろ?
一緒にゲームするって言ったじゃん!」
勇斗「・・・だな!」
俺たちは早歩きで玄関に向かう。
あのストーカーは俺と佐野さんが合流したことに
驚いてだいぶ距離が離れた。
勇斗「・・・」
仁人「佐野さん。後ろを振り向かずに
早く家に入ってください(小声)」
勇斗「ありがと…」
佐野さんを入れてから厳重に戸締りを確認した。
もうあのストーカーは居なさそうだ。
勇斗「ふぅ…ありがとうな仁人」
仁人「いえいえお気になさらず。
それより、ストーカーってあんな堂々
としているものなんですか?
バレるの承知できてますよねあれ」
勇斗「・・・なんで仁人はあんな
テキパキ動けんの?」
仁人「まぁ、覚悟はしてたので。
ナイフ持って追いかけ回されるとかじゃなくて
良かったです笑
それに幼少期は何かと女の子と間違えられて
変な男につけまわされることも多々あったので
母や父がしてくれたことをしたまでですよ」
勇斗「でもさ、」
仁人「佐野さん。今は俺の心配なんかより
自分の心配をしてください。
心配はありがたいですが
隠しているつもりでも、手が震えてます。
本当は怖かったんですよね?」
佐野さんの手をぎゅっと握りしめる。
なんだかそうしたい気分だった。
勇斗「・・・なんでバレんの」
仁人「見てるからですよちゃんと。
佐野さんのこと」
勇斗「えっ?」
仁人「貴方のこと、俺ちゃんと見てますから。
あんなRAIN送ってこなくたって、
愛を囁かなかったって
しっかり、見てますから」
仁人「だからもう、そんな顔しないでください」
勇斗「んっ…」
佐野さんは悲しそうな顔をしたまま
俯いてしまった。
勇斗「あのさぁ…仁人」
仁人「どうしましたか」
勇斗「どうしたらいいんだろうなぁこれ」
震える手で顔を覆い隠している。
いつもは大きく見える姿も
弱っていたらこんなにも小さく見えるんだ。
仁人「・・・男が泣いていい場所は」
勇斗「え、」
なぜだか分からないけどこの、小さく見えた彼を
抱きしめてあげたくなった。
勇斗「ちょ、ちょ仁人…!?」
仁人「男が唯一泣いていい場所はね、
惚れた女の胸の中なんですよ。
女性でなくて申し訳ないですが、
こんな男の硬い胸板でも良ければ
お貸ししますよ?笑」
かなり冗談交じりに言ったつもりでも
今の佐野さんには逆影響だった。
勇斗「うっ、うう…仁人…」
仁人「・・・よしよし」
俺に出来るのはただ彼をアイドルに戻すことだけ。
逆に言えば、彼が安心してアイドルを
できるまでとことん付き合う。
“好き’
だってそれが、それこそが!
契約、なんだから。
𝐞𝐧𝐝☕︎︎𓂃 𓅇
コメント
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えうわすき大好さいこう
ゆ。
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