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剣達も加わった月音探し。屋敷周辺にはいなかった。屋敷自体が広いため、屋敷内一周をするのは時間が掛かる、そのためまずは屋敷の外の周りから探すことにしたようだ。
「さすがにいないか…。」
剣が苦笑して屋敷内を探索しようと屋敷の扉を開けると、ロフと遭遇した。
「あっ、剣じゃ~ん。どうかした??凄い疲れてそうな顔してるけど。」
「ロフ君……。実は屋敷の外周り見てきたんです。」
「え、なんで…??ま、まぁお疲れ様…??」
状況が飲み込めてないロフは困惑しつつも剣を労う。そして月弥の弟の月音を探していることを伝えた。
「なるほどね。じゃあロワにも言っておくよ。俺とロワで屋敷内探してあげる。」
ふふ、と小悪魔のような笑みを浮かべてロフは剣に手を振った。剣も振り返し、しばらくしては屋敷より離れた場所を探しに行った月華、月弥と合流しに行った。
「月華君!月弥君!!」
「剣、どうだった??」
「さすがにいなかった…。」
「そうか…。」
月弥は何も言わなかったが、「まぁそうだろうな」とでも言いたげな表情で剣の頭を撫でた。
「探してくれてありがとう、剣。じゃあここからは俺ら三人で探そう。」
そう言って剣の手を取ると、そのまま剣の手を握って歩きだした。
「…え、なんで手繋がれてるの…??」
少し耳が赤くなった剣が月弥を見る。
「…っあごめん!!弟と手を繋いで歩いてて…剣見てるとなんだか月音思い出して……。」
月華は珍しく動揺した月弥を見ていいものを見たというように笑い、剣の赤くなった耳を見ては顔を手で覆い笑っていた。
「っほら、気を取り直して行くぞ剣、月弥。」
再び三人は歩きだし、着いたのは大通りだった。
「車やら人やら多いな…。」
当たり前のことを言っている月華だが、人探しをしているとやはり車や人が多いと困るようでため息を吐いた。でももしかしたらその人混みの中に月音がいるかもしれないと思うと今更引き返すわけにはいかないのだ。
「……月音の特徴知らないぞ俺ら。」
「あ。」
「あ…。」
剣はそういえばという表情で、月弥は教え忘れてたという表情をした。
「月弥お前…そこ忘れたらだめだろ。聞かなかった俺らもだが……。」
「ご、ごめん。」
月弥は苦笑し、二人を見ては特徴を述べた。
「まず髪の毛、青みがかった黒髪。もみあげをみつあみにしてる。そして目、綺麗な青だ。少し黒みがあるのも特徴。ちょっと目がすわってる。眉は目に平行な感じ。…あとは……そう、ヘアピンをしてる。ばってんにクロスしてる。」
「なるほどな…。」
「年齢は…??」
「13くらいだ。探すのに必死になって弟の年齢すら曖昧になりかけてるけど…。でも13近く、13くらいなのは覚えてる。」
月弥はまた顔を歪めるも、すぐにいつもの顔に戻り二人を見た。
「じゃあ捜索再開だ。通った人を観察する。それだけ。」
そこから数時間見張っていたが、それっぽい人物は見つからない。果たして月弥の言っていたことが本当なのかと疑いたくなるほどに。だが探したのはほんの一部。すぐに見つかるわけがない。日も暮れてきてどうしようもなくなり、仕方なく今日は帰ることにした。
屋敷の近くまで来て、二つの人影があることに気づく。それはロフとロワだった。
「おかえり三人とも。突然だけど、任務だよ。」
「とある交差点で人外が出たみたいだ。俺達も向かう。が、俺達は月音を探すのをメインにする。……人外を頼めるか??」
三人は頷いて早急に現場へ向かうのだった。