🖤side
岩本さんが帰った後、気まずい沈黙が俺たちの間に残った。
いつもそうするように、俺たちは俺の寝室のベッドに座っている。先に口を開いたのは、翔太の方だった。
💙「あの、レン…」
🖤「…………」
翔太の俺を見る目は、生前、俺の大好きだった翔太に本当に瓜二つで、それで…。
どうしても涙が浮かんでくる。
今でもこんなに細いのに、病室では、もっと痩せ細って、青白くなり、弱っていく翔太を見続けるのは辛かった。
翔太は、今、着せているこの青い浴衣で病床にいた。
もしこの不思議な再会が、単なる偶然の一致だとしても、俺は……。
そこまで考えたところで、『翔太』が、俺の手を握ってきた。
?『久しぶりだね』
🖤「えっと………」
?『俺だよ?忘れちゃった?』
🖤「やっぱり………」
浮かび始めた涙が、さらに溢れて止まらない。そして、俺はついに子供のように泣きじゃくってしまう。翔太は、俺の身体を優しく抱きしめた。
🖤「奇跡だ…」
💙「ホントに、奇跡だ。一夜限りの」
🖤「一夜?」
イヤな予感がして、俺は翔太を見た。涙で霞んだ視界だが、翔太の目にもうっすら涙が浮かんでいるのが見えた。翔太の口元は笑おうと努めてはいるが、わずかに震えている。
💙「残された時間があまりないんだ。もう、この身体になるのは、無理かもしれない……」
🖤「そんな……」
神の悪戯か
仏の加護か
そのどちらかはわからないし、どちらでも構わないが、翔太の中に確固たる別れの予感が芽生えているらしい。俺たちに残された時間が短いことだけは解る、と翔太は言った。
💙「意識が戻った時、この家にいられて俺は本当に感謝してるよ」
🖤「やめろよ、そんな言い方」
💙「猫の方の翔太にも、迷惑かけたしね」
🖤「ごめん……それは」
💙「わかれよ、アノ時の反応とかで」
🖤「………いい?」
💙「もちろん。最後に、いっぱい愛して?」
コメント
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戻ってきたんだ🥹ないちゃうーー😭🖤💙
あーーーーーーー健気で可愛くて切ない😢