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俺の一日は下駄箱に入れられている画鋲を片付けるところから始まる。

今どきそんなことがあるか、と最初は驚いたが、これは現実である。

いわゆる“いじめ”を受けている俺とは違い、弟の青はびっくりするほど楽しそうな学校生活を送っている。

一体俺と何が違うんだ。俺はなんでいじめられているんだ。

考えれば考えるほど、俺の周りから人は離れていく。

青は人付き合いが昔から上手くて、色んな人にすぐ好かれて、可愛がられた。

だから、愛嬌のない俺は誰にも見てもらえなかった。見てもらえたとしても、青の兄弟くらいにしか思われない。

誰かに見てもらえる生活は俺にはすごくまぶしかった。輝いていた。

だから、俺は見てもらえるように、勉強もスポーツも、努力でどうにかなることは全て出来るようにした。勉強で百点をとれば、きっと褒めてもらえる。スポーツができれば、女の子からモテるだろう、だなんて安易な考えで。

でも、実際はそんなことなかった。

勉強が出来ても、スポーツが出来ても、人付き合いが出来なければ、全て無駄になる。

見てくれる人もいないのに、ただただ俺は頑張っていたんだって気づいた。

青は何にも努力してないのに、俺より楽しく生きているんだな、なんて、また青と比べてしまう自分に呆れる。

自分は、努力して出来るようになったという事実に縋って、それしかモチベーションにすることができない、弱い人間なんだ。

正直、辛い。いじめられていることも、悩んでいることだって、相談できる相手は、俺にいるわけが無い。

ナイモノネダリ。

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