テラーノベル
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僕は、いつも通り遅刻ギリギリに校門をすり抜け、二秒で靴を履き替えた。チャイムはなっていたが、何とか教師がいないうちに教室に入ることができた。
だが、僕はそこが自分の教室であると理解できなかった。別に僕の海馬に問題があるわけではない。では、なぜわからなかったか。
それは教室がいつもよりも広く、動物ばかりであったからに他ならない。
『人も所詮、動物だろう』とどや顔で言っている人間が、世界中に一人はいるだろう。しかし、残念ながら、そういうわけではない。ましてや、教師たちが僕らの耳にタコを作るほどに言う『個々の教室は動物園ですか』と、あきれながら言う常套句でもない。
ただ僕の教室に、豚やゴリラの類の動物がいたからだけである。理解できない人が多いだろう。僕もだ。
やはり、今日の明け方までゲームをやっていたせいだろうか。カバンから目薬を出して目にさしても、先ほどと変わらずゴリラや豚がいる。
そこで僕は一つの結論を導き出した。これは悪夢だ。だが、頬をつねると痛い。それはたぶん、自分のつねるという事を脳で理解しているから、脳が誤作動で痛いと感じてしまっているのだろう。うん、そうだ。絶対にそうだ。夢ならばいい、この悪夢を思いっきり楽しむとしよう。
教室は縦横共に前の10倍ほど広い。席の数を数え、自分の席らしき席に座る。隣の席のゴリラの鼻息が荒すぎて、地味に生暖かい風がポロシャツの袖から入ってくることに、結構鳥肌が立つ。そして鼻息がうるさい。
ガラリとドアが開いたが誰もいない。しかし、よくよく見ると僕の腰ほどの身長しかない小柄な猿が荷物を持っていた。
ピョーン ピョーンと跳んで、教壇の上の机の上に立ち、荷物を置いて、パンパンと手をたたいた。
すると、先ほどまでウホウホやキーキーとうるさかった教室がぴたりと静かになった。
「はい、じゃぁ、出席取るぞ」
猿がしゃべったくらいで僕はもう驚きはしない。
「はいじゃぁ。アンギラ・ジャポニカ」
そこからも返事をする声は聞こえない。
「チッ、また脱走か」
脱走‥‥。このようなところでも一応学校であるので、せめて『遅刻』や『欠席』などと言ってあげてほしい。そう思いながら、出席番号一番の方を見ると、水槽に入った大きめのウナギが悠々と泳いでいた。
この猿は馬鹿なのだろうか。ウナギが返事をするわけがなかろう。せめて、目視で確認してから脱走かを判断しろよ。
「ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ」
「ウホッ」
隣の鼻息荒いやつが反応する。
まじかーゴリラかー。いや、見ればわかるけどさ。
「次―。ホモ・サピエンス」
わーホモだって。という声が聞こえる。
誰なんだろ?絶対あだ名がホモになるじゃん。かわいそー。
いや、僕じゃん!かわいそうな人って僕じゃん。まじで、これいじめだよ。
「はい‥‥」
少々嫌だったが、脱走扱いされるのは嫌なので手を挙げておいた。
最悪極まりないSHRを終えて、今日も学食で飯を食べようと思い、学校の地下に行った。
コメント
1件
読み終わりました!いやあ、冒頭から「教室が動物だらけ」って、どんなシュールな世界だと思ったんですが、主人公が冷静に「悪夢だ」と決めつけて楽しもうとする姿勢がツボでした(笑)。特に「僕じゃん!かわいそうな人って僕じゃん」のところ、思わず声出して笑いました。猿の先生が普通に出席を取る日常と非日常のバランスが絶妙で、続きがすごく気になります!
#感動
こはる
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百はな🍑
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ここ
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