テラーノベル
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まだまだおじさんです。お気をつけください。
side.りょ
おじさんが腕を腰に回してきて、足を擦り付けられる。
まだ肌は触られてないけど、時間の問題かも。
おじ「ねえ…一緒にいいこと、しない?」
藤澤「っ…!僕、次降りるんでっ…!」
そう言うのに全然離してくれない。ほんとはあと3駅ぐらいだけど、耐えられそうにない。
でも、離してくれる気配もないので、どうしようもない。
藤澤「あのっ…ほんとに、気持ち悪いですっ…離してっ!」
周りにはイヤホンを付けてスマホを触ってる人ばっかり。
誰も助けてくれない。泣きながら必死に抵抗する。
藤澤「ひぃっ!」
服越しににおじさんのモノが押し付けられる。なんで勃ってるの。気持ち悪い。
おじ「ほら、その気になってきた…?誰も見てないよ…」
怖い。懸命に逃れようとするけど、力が強くてどんどん密着する。
藤澤「やめてっ…!やだっ!」
服の中に手が入ってきて鳥肌が立つ。
渾身の力でおじさんのお腹にグーパンを叩き込むと、やっと力が緩んだ。
おじ「うっ…君、どうなるか分かってる?」
藤澤「やめてくださいっ…」
おじさんはイラっとした顔をして冷ややかな目で僕を見つめる。
怖いけど、ここで怯んだら終わる。僕の人生、全部が死ぬ。
おじさんと攻防を続けて、何回か足を踏んだりいろいろ頑張った。
やっと、着いた。もう安心。
藤澤「僕、降りるんでっ…!さよなら!」
解放された安心感でドアが開いた瞬間走り出す。
と、腕を掴まれた。
おじ「このまま帰らせると思ってる…?」
藤澤「嫌ですっ!僕は帰ります。通報しますよ”っ…!」
おじ「その前に抱いてやるよ」
藤澤「離してっ!」
そのままホームの外に出て、おじさんに引きずられる。
このままじゃ、きっとホテルに連れていかれる。その前になんとかしないと。
おじ「ほら、もうすぐタクシーが来るよ」
藤澤「気持ち悪いです!触らないでっ!」
おじ「そんなこと言って…気持ちよくなれるよ…?」
怖くて、気持ち悪くて、泣きながら腕を振る。なんでこんなに力強いの。
タクシーが向かって来た。あーあ、僕の人生詰んだ。全部終わり。
肩にかけてたカバンから、スマホを取り出す。これを切れば、2人とはお別れか。
おじ「諦めたの?偉いね~」
藤澤「違うっ!やだ、乗らないっ!」
助けてほしいけど、大声で騒ぐわけにもいかない。2人に迷惑がかかる。
藤澤「も、やだ…ひぐっ…離して”っ”…!いやあっ…」
おじ「暴れんな?あとでどうなるか分かってんだろうな」
こういう時に、人は知らんぷりをする。スマホばっか見て、誰も助けてくれない。
ヒーローなんか、いない。
藤澤「ひぐっ…う”っ…若井、元貴、」
小さな声で名前を呼ぶ。僕がミセスだってばれるわけにはいかない。でも、もう呼べないだろうし。
おじ「さあ、行くよ」
グイっと腕を掴まれて、引きずられるようにタクシーに近づく。
最後だし、いいかな。
藤澤「元貴っ!滉斗っ!」
ヒーーーーローーーーー!!!!
コメント
2件
んもうめっちゃいい…心臓がぎゅんってなる展開は嫌いじゃないですよ…‼️💕︎💕︎1000いいね失礼します🙇♂️