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 【第6話:氷と笑いと、くしゃみの調査隊】
 セリエナの朝は、いつもより冷え込んでいた。
吐く息が白く染まるなか、クロナと陽気な推薦組は氷雪地帯へと向かっていた。
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 陽気な推薦組「ひゃ〜〜、寒っ! なあクロナ、この辺の気温さ、もう罠より危険じゃない?」
クロナ「我慢だよ。ほら、すぐ身体動かせばあったまるから」
陽気な推薦組「いやいや、そういう根性論! モンスターよりあんたの方がこわいって!」
 クロナは軽く笑って、武器を構えた。白い息の向こうに、雪を踏み分ける影が見える。
 クロナ「……出たね。ブラントドス」
陽気な推薦組「魚なのか獣なのか……寒いとこに限って動きがいいやつ出るんだよな〜!」
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 一方その頃、キャンプでは――
 受付嬢「相棒たち、もうすぐ接触ですね! ……って、寒っ!」
勝気な推薦組「言ったでしょ、油断すると凍傷よ。手袋、もっとしっかりつけて」
受付嬢「うう、はい……。でも、なんだか緊張しますね。相棒たち、大丈夫かな」
勝気な推薦組「心配? あの二人なら大丈夫よ。うるさいけど、やる時はやるんだから」
受付嬢「たしかに……相棒も、いつも落ち着いてますしね」
勝気な推薦組「ふふ、むしろ落ち着きすぎてて、こっちが焦るくらいよ」
 テントの外では、雪が静かに降り積もる音だけが響いていた。
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 陽気な推薦組「おおっとっとっと! クロナっ! あれはやばい、飲み込まれるやつだ!」
クロナ「落ち着いて、ほらっ!」
 クロナがすばやく閃光玉を投げる。
閃光が雪を照らし、ブラントドスがひるんだ瞬間——。
 陽気な推薦組「いっけぇぇぇ! これが調査団魂だぁぁぁ!」
クロナ「うるさいって!」
 豪快な一撃で氷を砕き、モンスターがよろめく。
クロナは冷静に追撃を決め、見事に討伐完了。
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 その頃、キャンプでは。
 勝気な推薦組「……今の振動、終わったわね」
受付嬢「すごい……相棒たち、やっぱり強いです!」
勝気な推薦組「帰ってきたらあったかいスープでも出してあげましょ。ほら、私が作ったやつ」
受付嬢「あ、あの、この前焦がしてましたよね……?」
勝気な推薦組「……なにか言った?」
受付嬢「い、いえっ! とても楽しみです!!」
 二人の笑い声が、冷たい風に混じって響いた。
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 陽気な推薦組「たっだいまー! いやー、死ぬかと思った! クロナ、鼻真っ赤だぞ!」
クロナ「そっちこそ。」
受付嬢「ふふ、二人ともおかえりなさい。お疲れさまでした!」
勝気な推薦組「まったく、あんたたちって本当に懲りないわね」
 陽気な推薦組「そりゃあもう、これが調査団の日常ってやつさ!」
クロナ「……もう少し静かな日常でもいいけどね」
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 雪のキャンプに、笑い声がゆっくりと溶けていく。
寒さも、仲間たちのやりとりの中では、どこか温かく感じられた。