🩷「涼太の言う通りだった」
❤️「まぁ、調べちゃったからね」
🩷「自分の目で確かめたくて。金にならないなら要らないって言われて捨てられちゃった」
話しているうちに勝手に泣けてきて、あんなヤツに泣くとかおかしいよなと笑って誤魔化そうとしたけど、涼太は一緒に笑ったりしなかった。
❤️「でも好きで一緒にいたんでしょ?傷ついたんだよ。泣いていいよ」
言われて初めて、そうか俺傷ついたんだと知る。
愛されたくて、人に尽くして、涙が出る時はいつも理由がわからなかった。
自分の痛みに鈍感になっていたんだよと言われ、俺は涼太の膝に顔を埋めてめちゃくちゃ泣いた。
涼太はあの柔らかい手でずっと背中を撫でてくれていた。
それから、俺と涼太はまた学校で一緒にいるようになった。
涼太は取り柄のない俺のどんな小さな事でも認めてくれて、居心地が良かった。
笑顔が増えたらしくて、俺を遠巻きにしていた奴らも少しずつ話しかけてくるようになった。
俺は言われても仕方ない事をしていたし、来るもの拒まずだから誰とでも仲良くした。
🩷「涼太のおかげで人生変わったわ」
❤️「そう?佐久間が自分で選んだんだよ」
🩷「そういやさ、俺の身辺調査もしたんだろ?友だち付き合い反対されねぇの」
❤️「いや?売春はダメだけど、家庭環境はみんな色々だし、それは佐久間のせいじゃないしね」
怖いくらい人間ができている。本当の金持ちは心も大きいって聞いたけどこういう事なのか。
❤️「俺はこんな家の生まれだから、近づいてくる人は権力とかお金目当てばかりで。付き合ってるとだんだん気付いてきちゃうようになった。でも、佐久間といるのは楽しいよ」
🩷「そっかー、嬉しいけど金持ちには金持ちの悩みがあるんだな」
❤️「うん。だから、これからも傍にいてくれる?」
🩷「当たり前じゃん。てかなんか告白みたい、にゃはは」
涼太が黙った。
顔を見ると、宮舘家の庭に咲いてた薔薇みたいに真っ赤だ。
🩷「あれ?…え?」
つられてこっちも赤くなってしまう。
❤️「あの、言い方が悪かった、えっと…」
しどろもどろで取り繕う涼太が妙に可愛く思える。
🩷「涼太帰ろ」
❤️「えっ」
俺は特大の笑顔で涼太の手を握った。
案外奥手なんだなと思ったけど、それはさっき本人が言っていたように涼太ではなく涼太の家に魅力を感じて近づく人に囲まれ、まともな友だち関係すら築いて来られなかったからだと後々知る。
そんな人間関係の不器用さもまとめて涼太の魅力だと思いながら、ちょっとだけ手を繋いで歩いた。
リムジンに着いたら手を繋いだ俺たちを見た使用人がお祭り騒ぎみたいになっていた。
不器用と言えば、教室の隅の空席。
今日も姿を見なかった。
屋上で1日サボってたのかな、翔太。
コメント
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やっばり舘様は国王だー‼️器が大きい‼️さっくん舘様とゆっくり傷を癒し言ってね
はー。 しょっぴー💙楽しみだなぁ。 学パロ、罪なくていいねえ。