テラーノベル
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その惑星では、皆首輪をしてた。
内側に棘がついた首輪。
動くたびに、深く肉に食い込み抉っていく。
でも誰も、外そうとはしなかった。
「これが普通だから」
と言い聞かせて。
少年・レイは、死んだ魚のような目をしていた。
ただ浮かんでいる腐った魚の目。
光が強すぎる惑星だった。
正しさ、醜さ、愛、評価。
乱れのない計測機器が、醜いレイを捉える。
「価値があるか?」
「どれだけ売れる?」
金になる石や紐はもう何もない。
心臓を切り売りしながら生きていた。
ある夜、獣が迎えに来た。
一度も見たことのないはずなのに、見たことのあるような気がした。
その獣は甘い言葉をかける。
「コインを貸してあげる」
それは救いのようで、呪いの言葉だった。
飲まされた甘い毒は、口移し。
誰かの絶望、誰かの虚無、誰かの嘘。
地球の裏側より重く、深かった。
25グラムの軽い嘘を抱えながら、レイは深く堕ちていく。
「やめることも、逃げることも出来ないでしょう?」
獣は笑う。
レイの薬指には、もう意味をなくした指輪があった。
今ではただのゴミだった。
「もう何もないでしょう?」
幸福の鎖は、質量を持って重く乗る。
底のない暗い世界に落とされたようだった。
それでも、それでもまだ、死ねない。
「魂はある」
レイは言い張った。
誰も信じなくても。
自分を疑っても。
ずっと泣いて、
ずっと泣いて、
ずっとずっと泣いて、
ずっと泣いて、
それでも生きていく。
そういう選択だから。
レイは、毒を吐き出した。
正しさ、評価、金、コインはもういらない。
首輪はまだ外れない。
棘も抜けない。
それでもレイは深く堕ちることを選んだ、
汚れた愛も、意志も、全部抱えたまま。
「それでもまだ死ねない生命体です。」
レイは、そう呟いて、歩き出した。
暗闇は終わらない。
底のない世界は終わらない。
けれど、終わらせないのも自分だ。
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