テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
うる
4,400
542
101
137
「王様だーれだ。」
「はーい俺俺!」
「また舜太ー!?」
「もう、頼むからもうやめてくれ。」
「えーーしゃあないなぁ。じゃあ1番と3番が10秒間見つめ合う!」
必死にお願いをする吉田に曽野は優しめのお題を提示する。
「1番だーれ!」
「俺でーす。」
「お、はやちゃんか。」
「じゃあ3番だーれ!」
「俺〜。」
「あ、じゅうちゃんか!」
優しいお題の時に限って当たらないのが吉田の運の悪さを物語っている。とりあえず自分じゃないことに安心してからかうモードに入ろうとしたが佐野と山中は何故かノリノリ。
吉田は自分がもし10秒間も見つめ合うなんてのになったら今は耐えられないため、からかってやろうと意気揚々としていたのに。
山中はもう佐野の隣に移動して数えていないのにもう見つめあっている。
「はーいじゃあ数えるよー。10、9、……。」
「柔太朗……。」
「はやちゃん……。」
なぜか俳優モードに入ってしまったふたりは熱気を帯びた声でお互いの名前を呼ぶ。
目線もどこか熱く、吉田は見てはいけないものを見ているような、そんな気分になった。
「……1、0!」
「ぜんっぜん余裕なお題だったな。」
「ね。てかなんで名前呼んできたの?」
「え?何となく笑」
「目線もなんか…キモ……いやなんでもない」
「なんだと!?聞こえてるぞ柔太朗!お前もノリノリだったじゃん!」
「相手じんちゃんが良かった〜」
「それはこっちのセリフだよ!!」
わちゃわちゃと揉め出したふたり。
そんなふたりに構うことなく。吉田はもうこれから当たらないようにと神に祈りを捧げていた。
「王様だーれだ」
「あ、俺だ。」
「えーー!!仁人かよー!!」
「じゃあじんちゃん絶対当たらんやん!!」
各々に残念がる4人を知らんぷりして、吉田は考える。
何とかやり返せないか……。
吉田の性格上、やられてばっかでは納得いかない。何とか4人にダメージを与えられるものがないか必死で考える。
「よっし決めた。ふふふ、お前らさっきはよくも俺で遊んでくれたな。」
「じ、じんちゃん悪い顔……。」
「4人とも、お互いのことをガチでくすぐりあう!」
「えー!!!地味に嫌や!!」
「めっちゃ嫌!」
「時間は30秒ね。はーいよーいスタート。」
「ええ!?そんな急に!?うわぁ、あはは!じゅうちゃん、やめ!」
「舜太脇腹弱いの俺知ってる〜」
「太智覚悟しろー!」
「うわ!ははは!わぁあ!」
スマホで30秒のタイマーをセットし、ギャーギャー騒ぐ4人を吉田はソファに座りながらながめる。
騒ぎすぎて近所迷惑になっていないか不安になりかけた時にタイマーが30秒経過したことを知らせた。
音を聞いて4人は動きを止める。全員が肩で息をしていた。
「はぁ、っくそ、仁人覚えとけよ。」
「……めっちゃ疲れた。」
「はは、いい景色だったよ。」
「…まじで吉田さん悪い顔してるわぁ」
片方の口角だけあげて、困り眉にし目を細めて4人を見下す吉田。
悔しさを全面に出す4人に余裕の表情だ。
「次まじで仁人に当てるぞお前ら!」
「「「おー!!」」」
「ちょ、ちょっと!結託してズルすんなよ!?」
「そんなセコいことせん!」
「……ほんとかな。」
「はいはーい次行くよー」
「王様だーれだ。」
コメント
1件
のりもちさん、第4話読みました! 王様ゲーム、めっちゃ楽しそうなメンバーだね〜笑 吉田くんの「やられっぱなしじゃ終われない」感じ、すごくわかる。くすぐり合いのお題、絶妙に嫌がられてて笑った😂 みんなの仲の良さがにじみ出てて、読んでるこっちまでほっこりしたよ。次は誰が王様になるのかな?