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身体がだるく重たくなるような感覚があり、腕に力が入り切らず半身さえも起こせそうになかった。
「……こんなことをして、私はあなたを訴えることだって……」
喋る唇すら、麻痺したように動かしづらくなる。
「……訴える? 一体どんなことで……?」
政宗医師は、全く理解できないというような顔つきをして見せると、
「……君は、何もわかってはいないようですね。私が、誰であるのか……」
そう冷淡に言い伏せた。
「今度は、権威を振りかざして、脅すんですか?」
またしても脅迫めいた言い方に、苦い思いを投げ返すのに、
「いいえ…」と、政宗医師が首をゆっくりと左右に振る。
「そのような意味では、ありません。私が言っているのは、女性経験の少なくはないこの私が、君の身体の自由を奪いその気にさせようとしているのに、そんなくだらないことを、いつまで言っていられるのかということです……」
言いながら、細く長い指先で私の耳の後ろをすーっと淡く撫で下ろした。
ぞくっと身悶えるような感触が、全身を襲う。
「……いつまで、耐えられるのでしょうね……君は」
細くしなやかさのある指が、耳から首筋へと這い下りてくる。
「ほら…もう、声が出そうにもなっているのでは……」
ひと声も漏らすまいと噛みしばった私の唇に、政宗医師は指の腹で啄くように触れた後、
「……私はただ、君へ体感させてあげたいだけですから……」
伸ばした舌で、唇の合わせ目をつーっと横になぞった。
「……快感とはどういうものなのか、その身をもって知るべきです……」
そうして、呆然と開いた口の中へ、その舌先がぬらりと入り込んで、上顎の内側の粘膜を緩く辿るように、ぞわりと舐め上げた。