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〜nico side 〜
「ただいまぁー」
にこにこで飛びついてくるりほを想像していたのに、どうやらお昼寝でもしているらしい。両手に下げた買い袋を一旦机に置いて、眠り姫を迎えに行くことに。
寝室の扉を開けると、毛布も掛けずベッドの上でだらんと腕を広げたまま眠るりほの姿。
無防備なんだから。
顔にかかった髪を優しく払って、ふにふにのほっぺの感触を楽しむ。寝ているりほは赤ちゃんみたいで可愛い。
暫くそうしていたら、りほのまつ毛が揺れて、まだ半分夢の中にいるりほと目が合う。
「にしだぁ、、、、」
「うん、おはよ」
ふっと端が上がったりほのチャーミングポイントの唇。吸い寄せられるように口付けると、りほの目尻が優しく下がる。
可愛いね。
「お昼ご飯買ってきたけど、もう少し寝てから食べる?」
「んー、にしも寝る」
答えになってないんだけどなぁ、。
しぱしぱと眠そうに瞬きを繰り返すりほを見て、まぁ少しなら一緒に寝てやらんこともないか、と律儀に人ひとり分空けてあるスペースに寝転んだ。
「りほちゃん、いっつもうちの分空けて寝てくれてる。かわい、」
「…最近なんか自分の家でも癖で西の分空けて寝ちゃうよ」
「りほ、今日は帰る?」
「うーん、洗濯物溜まってるしなぁ、今日は流石に一旦帰る」
寂しいなあ。お互いの合鍵は持ってるし、殆ど一緒に生活してるのは事実なんだけど、やっぱり帰る家が違えば一緒に居られない日も時間も生まれてしまう。
ずっと一緒に居たい。ひとときも離れず、ずーっと目の届くところに居て欲しいし、おかえりもただいまも言いたい。
やっぱり、、、。
「やっぱりさあ、そろそろ同棲しようよりほ」
「あー、うーん、したいねぇ……てかお昼ご飯何買ってきてくれたの?」
またこの反応。でも今日は、逃してやんない。
「りーほ、」
「はい、」
「りほは私と、ずっと一緒に居るのはやだ?」
「……そんなの、やじゃないに決まってる」
何を隠してるのか知らないけど、勿体ぶらずに教えてよ。
「じゃあ、どうして一緒に暮らす話だすと毎回微妙な反応なの?」
「それは……」
うーんと頭を抱えたかと思えば、私の胸に顔を埋めて、おずおずと口を開いた
「だってね、うちは西とずっといっしょにいたいの、離れるの、さみしい、。」
「うん、だから一緒に暮らそうって……」
「ちがうの、!ちがう、」
「うーん、どうちがうのさ」
さっきからりほの言いたいことが全く持って伝わってこない。ずっと一緒に居たいから同棲がしたいなんて当たり前のこと、どうして受け入れてくれないの?
「…西といると、心がぽかぽかになって、安心して、離れたく無くなる、」
「うん、」
「だから西がうちのこと置いてお出かけしたり、お仕事に行くのも、ほんとは、さみしい…けど、」
そんなこと思ってくれてたんだ。りほの言葉に胸の奥がぎゅーっとなるのを感じる。
「そんなこと言ったら、にしは、めいわく…でしょ…?、一緒に暮らしたら今よりも離れられなくなって、めいわく、かけちゃう、」
あまりの衝撃に何も言い返せず、少しの間沈黙が続いた、りほは子供みたいに不安そうな顔で袖を引いてきた。何も言わずにりほを抱き寄せる。
「にし……?」
「かわい、りほ、かわいいね」
腕の中で柔らかい笑い声がする。
一緒にいたら離れるのが寂しくなるから一緒に住めないなんて、そんな可愛い理由どうして思い付くのかなぁ。
かわいい、なんてかわいいの。
「んー、かわいい…ねぇどうしてそんなにかわいいのりほちゃん」
「えっとねぇ……にしの彼女だから、」
反則だよ、流石に。堪らずもう一度強く抱きしめる。
「ずっと一緒にいようよ、りほ、さみしくさせないって約束するから。」
「………、うん、たのしみ、」
よし、私の勝ちだ。腕の中のりほを見ると、何度も瞬きを繰り返していた。
ぎゅーってされて、眠くなっちゃったんだね。
「ちょっと寝る、?」
「ねる……、」
「うん、寝ようね。」
起きたらどんな家に住むか話そうね、どんな家具を買おうか、ペットも飼いたいけど、やっぱりりほは私が独り占めしたいなあ。
私たちの想像する未来に当たり前に2人が一緒にいる。ただそれだけで、こんなに幸せ。
綺麗な寝顔に愛を伝える。
そんなある日の、昼下がり。
〜〜〜
お久しぶりです。🤍🫠
コメント
24件
お久しぶりです!久々の投稿、いつもとは違って純粋な可愛いお話だったので心がふわふわになったような気がしました!笑 無理せずゆっくり休んで好きな時に投稿を続けてください☺︎一生応援してますっ!( ᵒ̴̶̷̤໐ᵒ̴̶̷̤ )
久しぶりだァァァ! めちゃくちゃよかったっっっ!
うわぁん🥹🫶🏻 これすきすぎます🥺 また小説まってます‼️