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ウッヒョウヒョで酒を煽り、記憶を飛ばした俺こと赤石陽太郎。さて、そんなこんなで次の日目覚めた俺、一体どこにいたと思う?
うふふ……カ・イ・シャ☆
社畜魂ってのは恐ろしいもんで、泥酔でベッロベロな俺は家に帰らずそのまま通勤したらしい。 朝5時くらいに会社の自動ドアの前で寝ているところを警備員さんに発見された。
起こされた時は本当意味分かんなかったよ。だって起きた瞬間から「え、俺死んだ?」ってくらい体痛いし、そもそも壁どころか天井無いんだぜ?こっちは部屋でぬくぬく寝てると思ってんだよ。これが本っ当に怖かった。俺今度から深酒やめようって一瞬で決めたもん。
今まで会社で夜を越したことは幾度となくあったけど、流石に会社のドアの前で越したのは初めてだ。まだ凍死する季節じゃなくて本当に良かった、と警備員さんに心から言われた。正直あの人俺の母親より心配してくれてたと思う。
兎にも角にも、一晩路上で過ごした俺はそれはまぁ〜〜ボッロボロですよ。吐かなかったことだけが唯一の救いってね。それ以外終わってるけどな!
それでも今朝は同僚達がそれとなく仕事代わってくれたり、上司に「朝から盗賊に襲わるなんて災難だったね」って言われて初めてお茶を奢ってもらったり。……あの人ズレてるんだよなぁ。
さて、今日の本題はこここらだ。
そんなブラック企業にも労られるほど被害者ルックな俺は、斬新なことになんとズボンを2枚も履いていた。
片方明らかに他人の。というか結弦のだった。
ねぇ何処で?何処でやったのか次第で俺のギルティ度合い変わるけど何処でやった? つうか俺のスマホが無ぇ……!俺のiPh●ne16は何処へぇえ……!?
「赤石さん赤石さん」
「んぇっ!?あ、はい何でしょうか」
「なんか今、赤石の番号から電話が……えっと、白雪弓弦さん?から」
俺は一も二も無く電話に飛びついた。
「ゆゆゆ弓弦ーーッ!!」
『おぉ、結構大丈夫そうだな陽太郎』
「俺はな!お前あの後大丈夫だったか!?」
『ん?俺?別に大丈夫だったけど』
「え、大丈夫だったの?!」
俺にズボン引っ剥がされた後!?、と言おうとしたが目の前の受付嬢と目が合って止めた。2度もアイツのプライバシーを犯す訳にはいかん。断罪は後で受けよう。
「ええと兎に角、今俺のスマホ弓弦が持ってるってことでOK?」
『おう。そんでお前の会社向かってるとこ。……ていうか、今着いた」
「へ?」
ガーーと音がして振り返ると、開いた自動ドアをくぐって弓弦がこちらに歩いてきていた。