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#いんく
Yuna
3,334
rm「…闇オークションで、それでですか……」
fu「はい…売られてしまって…」
俺の人生は元々、天涯孤独の人生
読み書きが出来る年頃には
俺の両親は既に冷たく、気が付けば劫火の中へと去っていった
俺の数少ない家族の記憶にいた両親は
どこか朗らかさがあり 麗らかで、一緒にいるだけで誰もが笑みを溢してしまいそうなその優しい笑顔と声をしていた
そして、先程まで炎の中にはいたと思えないほどに冷たくなって自分の手元にへと帰ってきた
変わらず愛おしく、まだ温もりを感じれそうな両親の遺骨であった
温かかった手と、冷たくなった手
そんな記憶しか、残っていないのだ
叔母や叔父など、残された両親の血族関係に当たる人達は
誰も今後の俺の世話をするなど、視野には一切入れておらず
「精々少しは表向きのために。」と
幼い俺を孤児院へと送り、全員まるで仕組んだかのように音沙汰がなくなり
気付けば、みんな姿を消していた
関わったこともなかったのが唯一の救いだろうか、彼らに対する憎しみは俄然少なかった
良い意味で純粋過ぎたのだろう
むしろ、この孤児院に送ってくれてありがとうとも思えた
孤児院では、沢山の友達と笑いあって
誰も体力の底を知らないほどに、楽しい毎日を過ごせていた
ぽっかり空いた心も、着々と愛で埋まっていく感覚が確かにしていったのだ
だが、幸せはいつか綻ぶもの
数年前に起きた、一時期世間全体が話題にしたであろう孤児院での大規模な誘拐事件にて
俺は闇オークションの組織に拐われ、その闇オークションでこの身を物として売られたのだ
今こうして大人の駒となり、奴隷となり
汚い大人に好き放題された、このどれだけカバーしようも仕切れないほどの醜く汚れた身体で
こうして婚約の場へ来たことを、彼に告げた
rm「ッ……」
そんな話を聞いて、彼も気が気ではないだろう
顔に憤怒の色が露になっているのが目に見える
それもそのはず、奴隷にされた後
大人達による暴力や単なる駒扱いが、幼い俺にとって当たり前のものになってしまったのだ
たがそんな状況でも、彼の目は真っ直ぐで
今までの憎悪や嫌悪がまたぽつりと、自分でも驚くくらいに赤裸々と吐き出せていた。
眼帯越しにでも、その誠実さが伝わってくるような気がした
rm「……消したくても、消せない記憶ですね」
fu「…はい……本当に、そうですね……」
昨日の出来事のように、今までの悲惨な記憶が脳裏にこびりついている
嫌と言っても伸びてきたあの嫌らしい手で、この身体を好き放題に触られた、あの記憶が。
まるで、鍋に引っ付いて焦げてしまった食べ物かのように
必死に削ろうとしても、その凄惨で頑固な記憶は微量の欠片すらも削ぎ落とせず、今でもその時の悔しさという名の苦味を感じる
苦くも、それは消化しようにも仕切れない。
fu「…ごめんなさい、一方的に話し続けてしまって……」
rm「いえ、謝らないでください」
〃 「むしろお構い無く……というか」
〃 「……fuさんの方が、お辛いでしょうに…」
fu「いえ、そんな……」
どうして彼はここまで優しいのだろうか
久方振りに感じるその親切さに溺れてしまいたいくらいだ
rm「………あの…」
〃 「……もし、よろしければ」
〃「僭越ながら、僕の方もいいでしょうか?」
fu「……ぇ…?」
rm「貴方になら何となく、話せる気がして…」
fu「…なる、ほど」
その言葉に、どこか足枷を付けられたかのような
ずっしりとした重みを感じた
何となく、わかる
彼もきっと、周りの大人に嫌なことをされてきたのだろう。と
この屋敷の大人達が行った彼への仕打ち
白い婚約で彼がここにいる理由
この一変のズレをも許さないような厳かな雰囲気を見るに、きっと何かしらあったのだろう
世の中は、
どうしてこうも理不尽なのだろうか。
喉に溜めた唾をゴクリと喉の奥へと飲み込む
そんなのど越しの良い音が、自分の耳にも響く
そうして、覚悟を決め
彼の顔を良く見て、ゆっくりと首を縦に動かした
rm「…ありがとうございます」
すると、深呼吸をし 少し躊躇いつつも
彼のその骨張った手が 恐る恐ると か弱い生き物に触れるように
その真っ白な眼帯へと伸びていった
シュルリと紡がれた糸をほどくように脱がされた、そのベールに隠された瞳
その瞳とようやく目が合い、
俺はその瞳に、思わず呆気をとられた
fu「……!」
〃「…その、目……一体………」
rm「……僕、」
〃 「生まれつき、片方の目だけ色素が弱いんです」
rm「右の目……fuさんから見て左ですかね」
〃 「fuさん、こちらの目が”赤い”のがわかりますか?」
fu「は、はい…」
その目はまるで、見たことのない色をしていた
少し赤色が混ざった色。とかではなく
正真正銘、まさしくルビーのような赤い瞳をしていた
人より色素が弱い。というのは
瞳のメラニン色素が、普通よりも何百倍少なすぎることだったのだろう
茶色や黒といった一般的な瞳の色は、彼の右目には存在すらしていなかったのだ
はじめて見るその赤い瞳は
鮮やかで、どこか普通とは言い難くも
ファンタジー味が強く、鮮明で異端な色であった
rm「メラニン色素の欠乏が原因でしょう」
〃 「そのせいか、太陽の下を歩くことが少なくて…」
〃 「それもあってか、肌も白いんです」
fu「……なる、ほど」
rm「まぁ、生活に支障を来す程ではないので どうかご安心を」
〃 「太陽を直視できないくらいなので」
fu「……はい、…」
rm「……」
〃 「……怖い、ですか?」
fu「、!」
恐る恐る俺に聞いてくれた彼のその姿勢に、思わず胸が締め付けられる
何かしら酷いことを言われてきたのだろうと勝手に察してしまう
だが、答えは決まっている
fu「……どこが、ですか?」
rm「……へ、?」
fu「俺はその目、好きだなと思いました」
〃「お世辞とか忖度とか、全くなしで」
rm「…、!」
fu「…人の好みは、宝石みたいなものです」
〃「宝石は多種多様な “形”や”色” があります」
〃「けれど、必ずしも全てが万人受けするものではありません。それは絶対です」
fu「” 好きがあるから、嫌いがあるんです “」
fu「これは、世の中の絶対的ルールです」
〃「ストイックと大雑把が対を成してるのも同じ」
〃「少数の意見が多数の意見に惑わされてはいけません。どちらも間違っていないんですから」
fu「…だからこそ、だからこそです」
〃「誰が何を言おうと、僕は………俺は」
fu「貴方のその瞳が、素敵だと思います」
rm「fu、さん……」
その意外な回答に驚いているのだろうか。
ハッと顔を上げると、彼の顔にはじんわりと涙が滲んでおり目頭が赤み帯びているように見えた
fu「っあ…!す、すみません!勝手に盛り上がって熱くなりすぎました…ッ!!」
〃「ポエマーみたい、でしたよね……ッ!!…お恥ずかしいところを……」
rm「いえ、とんでもない」
〃 「むしろありがとうございます」
〃「……なんだか、救われますね」
〃 「そういう言葉を掛けてもらえると」
涙を誤魔化すための笑顔。
本来ならば胸が痛くなるけれど
この笑顔は、こちらも報われてしまいそうな程に
綺麗で、素敵な笑みであった
けれど、それだけで彼の痛みが全てわかるわけではなかった
rm「……」
〃 「” 完璧でなければ、いないのと同じ “」
fu「……え、?」
rm「……父や母たちの口癖です」
〃 「…目の色が違うだけで、そんな扱いをされてきた人生でした」
fu「……は、…?」
rm「無視は当たり前、まるで出来損ないの不良品と同じ扱いでした」
〃「…うちの家系、完璧主義なんです」
〃 「何にでも、完璧を常に求める家でして…」
〃「まぁ、もう慣れてしまいましたが」
想像を絶するものだった
あまりの理不尽な仕打ちに思わず唖然とし、開いた口を塞ぐことすら忘れていた
俺とはまた違った、精神的な苦しみ
それはあまりにも、残酷だった
親に期待すらされていない
我が子のように愛されない
それが、幼い子供にとってどんなに苦痛なことか
rm「まぁ、今はもう大丈夫ですから」
〃 「それに、貴方の言葉のおかげですよ」
fu「えっ?お、俺…ですか?」
rm「今現在の俺もそうですが」
〃 「昔の俺が報われた気分でした」
〃 「俺を真っ直ぐ見てくれる人、俺の友人以外にもいたんだなって」
rm「fuさん、ありがとうございます」
fu「、!」
〃「こちらこそ…!」
お互いに慣れない顔付きで照れ臭く微笑み合う。
双方共にほんのり赤く染まった頬や目頭。
愛くるしく、そして同じ苦しみや自信にしかわからない苦しみを分かち合えた。
この、傷だらけで薄汚れてボロボロの心身を。
そんな時間が、とても愛おしく感じた。
それが、とても心地よかった。
あの…えっと……???
♡500達成早すぎですと…🙄
翌日に見たら達成は早すぎやしませんか…??
とにもかくにも嬉しい限りです…🥺🥺
♡も勿論嬉しいですし、もし感想とかコメントしてくれたら私が喜びますのでよろしければ…(私欲)
テスト近いし今回も♡多くしちゃお((
あ、ついでですが投稿頻度遅くなります
気長に待ってくれると嬉しいです😉😉
それでは続きもお楽しみに‼️
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コメント
3件
とりあえず、rm両親と、奴隷として扱った奴ら全員ぶっk(((( 私お口が悪かったですね^^ で、fu彡かっこよすぎません?!?! かっこよすぎて溶けますよ!(?)
感想、読ませていただきました……! お互いに傷を抱えながらも、真っ直ぐに向き合おうとするふたりの距離感が、本当に繊細で美しかったです。 特に「宝石のよう」って例え、すごく素敵でしたね。好きと嫌いが対を成しているって言葉に、はっとさせられました。ルビーのような赤い瞳を「素敵だと思う」ってまっすぐ伝えるシーン、涙が出そうになりました。 続き、気長にお待ちしてますね🌷