3日後
その日は快晴だった。
「いってきまーす」
いつものように家を出た。そして、いつものように学校にいった。
「カルド、おはよー」
「レナトス…。おはよう」
ただ、違うとしたらこれだろう。教室に入ったら先に来ていたレナトスに挨拶をされた。2年で同じクラスになるまでは会話すらなかったのに、2年になってからはよく絡んでくるようになった。いつも一人でいたからか、全然慣れない。前よりは慣れたと思うが…。ちなみに、レナトスが家に来たのは3日前だ。それからは父親との話題についてレナトスが触れてくることはなかった。
そこから、本を読んで、先生が来るのを待った。たまにだが、レナトスと話したりして時間を潰した。
いつものように授業を受けて気づいたら放課後になっていた。
レナトスが家にきてからはいつも一緒に帰っていたが、今日はレナトスが委員会で遅くなるため、先に帰ることにした。
…すごく久しぶりに一人で帰るみたいだな。レナトスと一緒に帰り始めたのは、つい最近なのに。俺の日常に当たり前のようにレナトスがいる。なんか、ムカつくな。
…一人で帰るのがこんなに寂しく感じたのは初めてだな。いや、小さい頃は寂しかったな…。
そんな事を考えながら歩いていると、信号の所まできた。ここを渡って少し歩いたら家につく。
そして、ふと信号の向こう側を見た。そこにはある人がいた。
「っ!」
ボトッ。手に持っていた鞄が落ちる。周りの人の視線がカルドに集まる。だがカルドはそれに気づかなかった。信号の先の人を見てずっと固まって動かなかった。カルドの頭の中は恐怖で埋め尽くされていた。
だんだんカルドの呼吸があがっていった。
「ぁ、…ゃぁ……っ」
目の前がクラクラしだした。何も考えられなくなっても、その人から目を逸らさなかった。いや、逸らせなかった。
「……ド!カ…ド!っカルド!」
「っ」
カルドは声がした方を見た。そこにはレナトスが居た。いつの間にか信号も青になっていた。
「レナ…ト…ス?」
「大丈夫か?」
「えっ?あぁ、大丈夫だよ…、大丈夫…」
カルドは自分に言い聞かせるかのように言った。だが、その声は震えていて、手先も震えていた。
「カルド…。とりあえず、ここは他の人に迷惑掛けるし別の所に移動するぞ」
「だ…大丈夫だから先に帰っていいよ」
カルドはそう弱々しく言った。
「そんな訳にはいかねーだろ」
それでもレナトスは引かなかった。
「本当に大丈夫だから…」
「でも…」
「っ!だから、大丈夫だって言ってるだろ!君には関係ないじゃないか!お願いだから………お願いだから、
今は僕を一人にさせてくれ…」
普段のカルドからは想像出来ない声で言った。
「……分かった」
レナトスは迷ったすえカルドの頼みを受け入れた。
「本当に辛くなったら相談しろよ」
と言って去っていった。
つづく
あとがき
いや、暗っら。自分で書いててなんだけど、暗くない?何でこんな暗くなるんだろう。他の人のはこんなに暗くないのに…。もっとホワホワしてるのに。
…まぁ、大丈夫か、最後はハッピーエンドだから!
では、次回また会いましょう
ヽ(・∀・)バイバーイ
コメント
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続きが気になる~!