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カーテンの隙間から差し込む光が、
重たい空気の部屋をじわりと照らす。
古びた屋敷のダイニング。
長いテーブルの端に座るのは、
黒のコートを羽織った男——マフィオソ。
「……遅いな」
低く落ちた声。
懐中時計の金のチェーンが、
彼の指先で軽く揺れる。
その時——
ドンッ!!
「おはよーっす!!」
勢いよくドアを開けて入ってきたのはカポレジーム。
サングラスのまま、椅子にドカッと座る。
「朝から元気だな、カポ」
「いやボス、今日ちょっと寝坊して——」
「寝坊“も”だろう」
間髪入れず刺される一言。
「うっ……」
そこへ、静かに扉が開く。
「おはようございます、ボス」
シルクハットを整えながら現れたコンシリエーレは、
すでに身だしなみ完璧。
そのまま自然にマフィオソの隣へ立つ。
「本日の予定ですが——」
「リエーレ。後だ」
「……承知しました」
即座に引くあたり、空気の読み方が完璧すぎる。
さらに、ひょこっと顔を出す小さな影。
「お、おはよう……ございます……」
ソルジャーだ。
ウシャンカを少し下げ気味にして、
周りをうかがっている。
「ソル、もっと堂々と入れ」
「は、はいっ……!」
びくっとしながらも席につく。
最後に——
ガチャ、ガタン、ゴンッ!!
「いったぁ!?!?」
派手な音と共に転がり込んできたのはコントラクティー。
「僕、椅子と仲悪いみたいです……」
「ラクティー、毎朝やってるなそれ」
カポが呆れ顔で言う。
「……全員、揃ったな」
マフィオソが立ち上がる。
それだけで空気が一瞬締まる。
だが——
「ボス、ネクタイ、少し曲がってますよ」
リエーレがすっと手を伸ばす。
「……ん」
抵抗もなく、軽く顎を上げるマフィオソ。
その仕草に——
(((近い)))
カポ、ソル、ラクティーの視線が一斉に刺さる。
「はい、整いました」
「ご苦労」
自然すぎる距離感。
「……おいリエーレ、お前距離近くね?」
「仕事ですので」
即答。
「俺もやりますよボス!」
「いやお前はいい」
秒で却下。
「僕も……!」
「お前はまず椅子と和解しろ」
「がんばります……!」
ズレた方向にやる気を出すラクティー。
そんなやり取りを見ながら、
マフィオソはふっと小さく息を吐く。
「……騒がしいな」
けれどその声は、どこか柔らかい。
「だが——悪くない」
一瞬の静寂。
そして——
「朝食、食うぞ」
その一言で、また一気に騒がしくなる。
「今日のメニュー何すか!?」
「昨日の残りを温め直したものですが」
「え、楽しみ……!」
「俺パン多めで!」
「……順番に取れ」
呆れながらも、ほんの少しだけ口元が緩むボス。
その姿を、誰も見逃さない。
(((今ちょっと笑った)))
——そんな、いつもの朝。