細目小雪が死んだ
第一発見者は俺
いつも通り早く学校に行って本の続きを読もうと教室へ来たら死んでいた。何故だ。細目は何も言わず、ただ宙に浮いている。しかもただのロープなんかじゃない。いくつものロープや電源コードを繋いで繋いで作られた、気味が悪いロープ。
「きもちわりぃ」
俺が今日、教室に来て最初の言葉。ホントに気味が悪い。何故こんなにも死体や現場の空気が気持ち悪いのか。
「うわ」
真後ろで声がした。俺が咄嗟に振り向くと中元浩二がいた。いつの間に俺の後ろに居たんだ。
「なんだよこれ、すげー完成度高ぇな」
俺は浩二の言っていることが分からなかった。こいつはなんて脳天気なやつなんだ。こんな状態の細目が死んでいない訳ないだろう。
ベタベタと触る浩二に
「おい、そんなに無闇に死体に触るなよ」
無意識に声が出てしまった
「は?何言ってんのお前。こんなのが死体なわけねーじゃん。どーせこいつとグルで俺らクラスメイトを脅かそうって魂胆だろ。ばっか、見え見えなんだよ。作るならもう少し丁寧に作れ。」
違う。俺は細目と手を組んでなんかない。その言葉を口に出そうとした時、浩二が言った。
「しかし、人の温度ってもうちょいあったけぇもんだろ。こいつの肌冷てぇぞ。冷え性なのか?」
俺はその一言で理解した。
間違いない。細目小雪は死んでいる。
死んだ人の肌や温度は冷たい、と何処かで聞いたことがある。しかも、今の季節は夏。暑さのオンパレードだ。それに、もし細目が生きていても、あいつは冷え性では無いから違うだろう。
「私、暑がりなんだよね。」
入学式の日、俺の隣の席になった細目が言っていた言葉。細目の声でフラッシュバックされた言葉を、俺の声に変える。
「細目は冷え性じゃない。暑がりな奴だ。」
「ほーん。そーなんだ。」
……
…………
少しの沈黙が続く。
「え、てことはマジで死んでんの?」
俺は話を振られたことに少しびっくりしながらもコクン、と頷く
「ま、まじかー……うわ、まじかー……ガチかよ……。」
こんな時、俺はどうすればいいのだろう。
そう考えていると、浩二が口を開いた。
「なぁ、まず警察に電話しね?」
そうだな。と納得しかけた時、違う。と思った。
既に浩二が死体に触っているし、このまま行けば浩二が犯人になってしまう。では、校長か?いや違う。担任?それも違う。まずすべきことは、、、
メモなんじゃないか?
俺はそう浩二に提案すると、浩二も納得してくれた。
よし、メモを取ろう。
できた。
俺は出来たメモを浩二に見せた。
俺のメモを見終わったあと、浩二はこう言った
「可愛い字」
引いた。ドン引きした。
何が嬉しくて男に可愛い字なんざ言われにゃあかんのだ。2度目の気持ち悪さ(これは違う方向の気持ち悪い)が俺を襲う。
「それじゃあ、これ持って担任の所に行こうぜ。」
自分が放った言葉など忘れている浩二に、俺は少しイラついた。が、言っていることは正しいので俺は浩二と職員室へ向かった。
ホラーみたいだね!
多分ホラーになるよ!
みんなもいじめをしたらダメだゾ♡
じゃあね!
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