不意に声を掛けられた…。
「あれ? 同じガッコーじゃん??」
「え?」
拍子抜けした。まさかの事態だ…。
ほとんど学校に行けていないと言うのに僕の存在を知ってる人がいるなんて。
「来てたっけ? 見ない顔だけど…それとも新入生??」
待て待て、全く面識など無いがここまで頑張ってきて新入生にされては困る。
「あ、えっと… どちら様で…?」
「オレ? オレは、狐火 柚希(きつねび ゆずき)あんたと同じこーこー」
「あんたは?」
「僕は…、天月 神楽(あまつき かぐら)……二年生だけどね…」
ぼそりと呟いた。
皮肉じみたような声。端から見ても嫌なやつにしか見えないかも知れない。
僕って何でこんなやつなんだろうか…。先程の発言方法に心底後悔している。
朝から機嫌が悪くなってしまった。学校に行こうと思っていたけどやっぱり行くの止めようかな。
そんなことが脳内に堂々巡りする。
「天月神楽…カッコいいじゃん」
柚希がニカりと笑う。
「…え?」
「神楽って、カッコいい!」
神楽って、カッコいい。そう言われた。
今までそんなこと言われたことはない。
「てか、柚希はなんで病院に…?」
純粋な質問だ。
「オレは胃腸炎になっちゃってさww」
「神楽…先輩? はなんで病院に来てるの??」
「僕は……いろいろ…かな」
「あと、神楽でいいよ」
へなりと笑う。
傷のガーゼを貰いに来たり、不調と貧血を診てもらったり、言葉通り色々だ。
「神楽!!」
「なぁに」
初めて友達ができた…気がする。
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「学校…来る?」
「ん? この後行くけどなんで?」
「いや…なんでもない……」
帰り道、なんともない話をしながら帰る。
「かーちゃんったらさぁ、気持ち悪いのにガッコー行かせるからさ」
「オレ授業中ゲロっちゃってさww」
「へッ……へぇー」
「てか神楽はいつガッコー来るの?」
「きょ、今日行こうと思ってたんだよね…午後」
言ってしまった…。
よりによって一軍男子に。
きっと友達10人くらいそばにつけて僕の教室に来るんだろうな…。
そんなこと考えるだけで目眩がしてくる。
「じゃぁ、放課後神楽の教室来ていい?」
「え…?」
「だって神楽、あんまり人付き合い好きじゃないような顔してたから…」
「あっ……ありがとう」
こうして僕の青春学校生活が始まった。
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めっちゃ久しぶりに浮上した