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ゆき
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そして、土曜日当日
勇斗「じゃあ、今日はよろしくお願いします」
孫娘「はい、よろしくお願いします勇斗様」
学園長に半ば強引に決められたデート
佐野はぎこちなさを感じながらも渡されたプランに沿って一日を過ごしていた
初めは遊園地へ行き、お昼には美味しいパスタのお店に入った
孫娘は楽しそうに笑いデートそのものは順調に進んでいた
……ただ、佐野の心は少しも弾まなかった
隣にいてほしいのはこの子じゃない
一緒に笑って、同じ景色を見たいと思う相手はたった一人だけだった
そして、デートも終盤に差しかかった頃
二人は夕日が綺麗に見える展望台へとやって来ていた
孫娘「夕日が綺麗ですね」
勇斗「……はい」
孫娘「今日はありがとうございました。とても楽しかったです」
そう言うと孫娘は佐野の手をそっと取った
そして、向かい合うように立つ
孫娘「もし良かったら、また次もデートしませんか?」
勇斗「えっと、それは……」
どう返事をしたものか
断るべきなのは分かっている。けれど、学園長の言葉が頭をよぎり佐野はすぐに答えを出せずにいた
そのとき
ガサッ
何かが落ちる音がした
勇斗「……?」
二人が音のした方へ振り向く
そこに立っていたのは――
勇斗「……仁人?」
吉田仁人だった
足元には落としてしまったらしい荷物が転がっている
吉田は二人を見つめたまま動かなかった
やがて、ゆっくりと視線を落とす
仁人「ご、ごめん……」
声が震えていた
仁人「デート中だったんだね……邪魔してごめん」
勇斗「仁人、待っ――」
吉田は踵を返し走り出した
その目には、今にもこぼれ落ちそうなほど涙が溜まっていた
勇斗「仁人!!」
佐野は孫娘の手を離し慌てて頭を下げた
勇斗「〇〇さん、ごめんなさい!」
佐野は返事を待つこともなく吉田の後を追いかけた
勇斗「仁人、待って!!」
必死に走りようやく追いつく
佐野は吉田の腕を掴んだ
仁人「……っ」
勇斗「お願い、話を聞いて!」
仁人「……せっかくのデートだったのに、台無しにしてごめんね」
勇斗「だから、違うって!」
仁人「……」
吉田は俯いたまま何も言わなかった
しばらくの沈黙
やがて、ゆっくりと顔を上げた
仁人「……実はさ」
勇斗「……仁人?」
仁人「勇斗が告白してくれたの嬉しかったんだ」
勇斗「……!」
吉田は小さく笑おうとした
けれど、うまく笑えなかった
仁人「俺あれからずっと考えてた、勇斗のこと…… なのに……嘘だったんだね」
そう言って吉田は佐野の方を振り返った
その瞬間、堪えていた涙が頬を伝った
勇斗「仁人……」
何か言わなければ
違うんだと、嘘なんかじゃないと
自分がどれだけ吉田を好きなのかちゃんと伝えなければ
今すぐ抱きしめて泣かないでほしいと伝えたかった
けれど――
言葉が出てこなかった
吉田の涙を見た瞬間、佐野は何も言えなくなってしまった
そんな佐野を見つめ、吉田は静かに口を開いた
仁人「あの子のこと、幸せにしてあげなよ」
勇斗「……っ、仁人!」
仁人「……じゃあね」
吉田は佐野の手をそっと振りほどきその場を去っていった
佐野は追いかけることすらできなかった
ただ、遠ざかっていく吉田の背中を立ち尽くしたまま見つめていた
コメント
8件
な、なにをしてるの🩷さぁぁん!!追いかけて!はやく!!動いて!はやく!!💙ちゃんタスケテ…😭 🙏更新ありがとうございます🙇♀️
うわぁぁぁ…😭 すれ違いが…😭 せっかく💛さんが嬉しいって気づいたらのに、何てタイミングなんだ…😭 続きを楽しみにしています…!

あぁ〜🩷さん早く追いかけて‼️ 💛さん行っちゃうよ。すれ違っちゃうよ💦💦 続き待ってます